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Side BLACK
ドクン、ドクン。ﾄﾞｸﾄﾞｸﾄﾞｸｯ
と、心臓が口から飛び出そうなほど大きく早く脈打つ。
冷汗が目に入って少し痛い。
「っ、北斗！しっかりしろ、大丈夫だから、」
樹がまだ握ってくれていた手を擦ってくれるけど、ほとんど感覚がない。
それでいて末端が冷えきってるような…
「ほ、ほくと…」
「こーち…怪我、ない？」
「っ、ない。…お前、バカ、！…こんな…血が…」
汗のせいか曇った視界の中、高地が泣きそうな声で寄ってくる。
「ごめんっ、…ごめんな、俺のせいでッ」
そうか、血が出てるからこんなにクラクラするんだ。
高地が情けない声出すから、俺も不安になってきた。
「…うぅ、……はぁっ、……ﾊｧｯ､」
「大丈夫。すぐ病院行けるから」
ぎゅっと目を閉じると、京本が腕のあたりを擦ってくれた。
背中が痛いから横向いてるしかなくて、どっから出血してるか分かんないぐらい全身が痛い。
「なんでこんなことにっ」
慎太郎の苛立つ声と、スタッフさんが謝る声がする。
確かにこんな事になったけど
…高地、無事でよかったな………
すぅーっ、と、意識が遠のいた。
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Side RED
「…まだかよ…、」
病院に運び込まれて暫く経っても北斗の無事か知らされず、病院の待合室で途方に暮れる。
「…っ、」
グッと震える拳を握りしめる高地。
ずっとポロポロ涙を流していて、声を上げるわけじゃないけど、それは止まらないみたいだった。
ずっと隣りに居た人に突然突き飛ばされたと思ったら、自分を庇ってその人が怪我をした。
その気持ちを想像すると、俺も涙が溢れそう。
肩、背中、腰の三ヶ所が主な出血場所で、腰のところには大きな破片が突き刺さっていた北斗。
もちろん他にも細かい傷がたくさんあって、
見ているこっちが目をそらしたくなるぐらい痛々しい。
思い出すだけでも痛くてゾクゾクしちゃう。
「…高地、ちょっと休もうよ」
ずっと狼狽していた高地だけど、数回目の声掛けでも、「俺は大丈夫だから」と言い張った。
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2021年2月8日 14時
