Track 46【起立性調節障害】 ページ32
.
いつもご愛読ありがとうございます！
今回はTrack 4【起立性調節障害】と同じ設定でのお話です。
事前に読んでいただいた上でお楽しみ頂けたらと思います。
.
Side BLUE
「…北斗！どうした？」
帰りのホームルームを終えて職員室に戻ろうとしていたところ。
職員室前の廊下で立ち尽くしていたのは、北斗だった。
俺の問いかけに戸惑っている様子。
「……保健室、貸してもらおっか。」
見たところ荷物も持っていないし、
きっと保健室はまだ、養護教諭の先生がいるだろう。
「松村くん！ちょっと離れてた間に居なくなったからびっくりしたよ」
「あ、…えっと…ごめんなさい」
「ううん、謝らなくて良いよ？
樹先生のとこ行ってたんだね」
1週間ほど前から保健室の先生が変わった。
前の先生が産休に入ったためだ。
京本大我先生。
養護教諭の先生で男の人なんて中々いないからどんな人かと思ったけど、生徒たちからも「白衣の天使」って言われてる綺麗な人。
2年になってから北斗は保健室に登校するようになった。本人がそうしたいと言ったから。
本人は言わないけど、お兄さんが卒業しちゃって不安が大きくなったみたい。
クラス替えはあったけど、俺はまた北斗の担任を任されて、変わらず勉強熱心な北斗と教室復帰に向けて少しずつ頑張ってたんだけど。
どうも、京本先生とうまくコミュニケーションが取れないみたいで。
まぁ、完全に北斗の人見知りなんだけどね。
「松村くん、ここで課題して帰る？」
むっ、と口を閉じて京本先生に答えない北斗。
その様子が可笑しくて笑ってしまう。
「そのつもりだよね？
…ふふっ、京本先生、差し支えなかったら北斗と二人にしてもらえます？」
「じゃあ、施錠お願いしまーす
俺、定時なので帰るんで」
「あ、はい。お疲れ様でした…笑」
京本先生は確かにちょっと変わってるところあるかも。
北斗にこんな態度取られても動じないし、笑
「まだ仲良くなれないの？どうして？笑」
クスクス笑いながら尋ねると、北斗はシャーペンをカチカチしながら耳を赤くしてる。
「……初めて来た日…調子悪い日、で、…
その日から新しい先生だって知ってたから、緊張してたのもあって……」
北斗は数学の問題を解きながら、ポツリポツリと話してくれた。
(続)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 758人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年9月3日 21時
