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Side RED
「ほくちゃん、痛かったね〜ごめんね」
「ほく、大丈夫?」
グズグズ泣いている北斗が心配だったみたいで京本くんは眉が下がってる。
「うん。京本くんはもう教室戻りなさいね」
「じゃあね、ほく」
「ばいばい……」
2人ともシュンとしちゃって、可愛いけど、
かわいそうで仕方ない。
京本くんと入れ替わりで、保健室に北斗の担任の先生がやってきた。
北斗はお父さんに迎えに来てもらうことになったらしい。
まだ1時間も授業受けてないのになぁ。
小学校は担任の先生が1日のすべての授業をやるから、嵐のように去っていったけど。
「ほくちゃん、水分取ろうね」
冷蔵庫から取り出した経口補水液をコップに移して渡す。
長時間太陽に当たったせいで、日焼けをしているのと、長袖長ズボンだったし、普段太陽の下に長時間いることもない北斗は軽い熱中症のようになっていた。
アルビノの子供は皮膚が弱い。
しばらくお風呂なんかはヒリヒリしてたまらないだろうな。
「まずいよ……もー」
「Ahaha!それは元気な証拠だ!笑」
OS1は熱中症で水分が足りない人は美味しく感じるし、そうじゃないと確かにまずい。
ほくちゃんは不機嫌になった。
ベッドのカーテンを引いて、保健室の電気を消した。
「北斗、メガネ外してもいいよ」
俺も彼に合うまではアルビノについて詳しかったわけじゃないけど、体育のときはここにいるし、他の子より仲良しになれたと俺は思ってる。
「………どうして、ほく だけなの?」
かたり、と少し眩しそうに眼鏡をおいた北斗。
「もう、やなの…グスッ」
落ち着いたと思った涙がまたポロポロ流れていく。
それも赤く腫れ上がっている頬に伝って、きっと痛いんだろう。
トントン、と優しく背中を擦る。
「北斗!」
ガラガラっとドアが開かれた音がして、北斗は驚いたようだった。
眼鏡を探る仕草をするから渡してあげると、
カーテンが開いた。
「ぱぱ、……ほくね、傘があたってね、それで「心配したよ……」
遮るようにして、お父さんが北斗の体を抱きしめた。
優しく優しく、まるでシャボン玉が弾けないようにしてるみたいだった。
「…はぁ、……はぁ、
……どうして、ほく だけなの?……ん、ゲホッ」
北斗はまた同じように尋ねる。
お父さんは体を離して、何かを考えているようだったけど、答えなかった。
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作者名:あーちゃん | 作成日時:2020年9月3日 21時