BLACK TrackONE【4】 (ページ12)

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※嘔吐表現あります

Side BLUE

北斗が心配するほど、俺の通院は負担にはならなかった。
自己血貯血といって、骨髄を採取したあとに俺が貧血や血圧が低下しても対処できるよう、予め自分の血を献血をするのが主なことで、北斗の看病のついでだし15分ぐらいで終わる。
まぁでも、逆に言えば、骨髄を採取するとき、俺も結構大変なのかななんてぼんやり考えた。

今まで勉強してなかったことからの不安や、移植に対してやらなきゃならないこと、北斗の体調が思うより良くなくていつもしんどそうで、かなり痩せてきていること。

強がりは、あっという間に、崩れた。

「はぁ、………最悪。ゴホッゴホッ！」

慌てて勉強したって、知恵熱を出すだけだ。

「……父さん、ごめん……風邪引いたっぽい。
…北斗に感染すといけないから、今日は家にいるね。
俺は大丈夫だし、父さんに感染っても北斗のこと看れる人居なくなるから…
仕事終わり、病院行ってあげて。」

思えば北斗はこうなることを分かってたのかもしれない。
年初めの仕事中であろう父さんにボイスメモを送る。
打ち込みをする気力は無くなるほど頭がガンガン痛んでいた。

「はぁ、……うぅ、…しんど……」

熱も高いし、2回目の献血の翌日なこともあって、なんとなくクラクラするような…
1回目のときはピンピンしてたけど、風邪と重なっちゃ仕方ないかも。

「……俺が、…俺のせいで、北斗移植できなかったらどうしよう…」

寝ていたのか、気付けば父さんがいて、病院に行くと言い出した。

「移植のこともあるし、ちゃんと診てもらおう」

「……ごめん、……ごめんなさぃっ、」

「…樹。大丈夫、大丈夫だよ」

マスクでこもる声はどこか震えていた。

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Side BLACK

「うえっ！……ん、ゲホッゲホッ！…
…はぁっ、きもちわる、……はぁ。う、おぇっ！」

「辛いな、……」

父さんは背中を擦ってくれつつも、時計を気にしていた。
いわゆる全身防護服みたいなやつ。
俺はクリーンルームに移動していて、移植が終わっても、1ヶ月ぐらいはここから出られない。

「樹は………？どうしたの……はぁっ」

いや、受験まであと一週間を切っている樹に見舞いに来いと言う方が、おかしいんだけど。
連絡もないのはもっとおかしいから。