BLACK TrackONE【4】 (ページ42)

今日:3 hit、昨日:64 hit、合計:326,095 hit

_ ページ42

Side GREEN

「ぱぱぁ、なんじにかえってくるの」

「6時に迎えに来るよ」

「やだぁ」

「慎ちゃん先生の言う事聞いて、大人しくしてろよ。はしゃいだら、また苦しくなるからな」

ギューッとパパの足元に抱きついている北斗くん。
パパさんは北斗くんのおでこにキスをして仕事に向かって行った。

「ほっくん久しぶり。先生のこと、覚えてる？」

「……しんちゃんせんせー」

「そう！覚えててくれたんだっ、嬉しいなぁ」

不貞腐れている北斗くん。
元々お顔はぷっくりしてるタイプだけれど、
今日は空気をいっぱいためて、フグみたい。

「…じゃあ、何して遊ぼっか。
しんどくなったら、先生に教えてね。」

「むぅ、……こーちとあそぶ、…」

「コーチ？誰のこと？ほっくんの空手の先生？」

「……こーちはこーちだよ。
よーちえんにいるの！おともだち！」

「あぁ、笑
そうなんだ。幼稚園のお友達か！」

てっきり、監督って意味のコーチかと思った、笑
これを分かってくれる大人はいなくて一人で笑ってしまった。
この教室には、ほっくんと2人。
病状が悪化しない限りはずっとつきっきりになれるから、俺はこの仕事大好きなんだよね。

「最近、幼稚園では何をしたの？
あ！豆撒きした？」

幼稚園大好きみたいだから、その話題から入ろう。
テキトーに折り紙でも折りながら。

「まめまきしたよ！
ぜんしゅーちゅーのこきゅーで！」

「あはは！さすがじゃん！笑
現代の子は違うなぁ」

某アニメの影響なんだろう。
北斗くんは刀を振りかざす素振りを見せてくれた。
それは豆撒きではない…
鬼役だった幼稚園の先生大変だったろうな(笑)

こーちくんが雷の呼吸を使うらしい。
ほんとに仲良しなんだろう。
「こーちがね！」ってそればっかり。

「…どしたぁ？
こっちおいで。先生の横に座る？」

だけど、スグに、しょぼん。としてしまった。

「ケホっゲホッ！…それでね、えっとぉ……ｹﾎｯ」

「………ほっくん、お熱測ろうか」

咳を始めたので、背中を少し擦ってあげると、
体が熱い。興奮したのもあるだろうけど。

「ぅぅぅ、やぁなの……ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ！」

「やぁだね～お熱測るのは痛くないからね」

「ひゅっ、……ﾋｭｰｯ……はぁっ、ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ」

「ほっくん！苦しくなっちゃったね、大丈夫？」

泣いてしまった影響からか、
喉からゼロゼロ、ひゅーひゅと音がなる。