Track 38【虚弱体質】 ページ1
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ご愛読ありがとうございます!
今回はTrack 16【偏頭痛】と同じ設定でのお話です。
事前に読んでいただいた上でお楽しみ頂けたらと思います。
2人が幼稚園の年長さんぐらい時のお話。
他の4人は現在の実際の年齢ぐらいだと思ってください。
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Side BLUE
高地先生は和服のよく似合う人だったけど、
髪の毛はメッシュで今考えると結構破天荒な人だった。
「右手でお茶碗を取り上げ、揃えた左手の平の上に置きます。
そして右手で時計回りに2回ほどお茶碗を回します。 」
北斗はその通りにやってのける。
……北斗もまた洋服より和服が似合うような、そんな大人びた子供だった。
「うぅー、っ、………ねぇ、慎太郎、もういい?」
「まだですよ。じっとしててください」
慎太郎は、俺の先輩に当たる従者だった。
俺はタメ口、慎太郎が敬語を使うのは、俺が北斗の父___大旦那様の第一執事の息子だからだ。
松村家に代々使える田中家の息子だから。
慎太郎は俺に従者としての業務や心構えを教えつつ、自分の仕事でもある北斗の世話や、俺の世話まで焼いてくれてたのだから、本当に優秀な人だった。
「あ゛ーーーっもう やだ!!
北斗、あそびにいこ!!」
「樹、!うわぁっ、
まってまだ、おわってないのに」
ピリピリと痺れる足に嫌気が差した俺は、
すぐに北斗の手を引いて茶室を出た。
「お二人ともお庭は走ってはいけません!」
慎太郎が追いかけてくる。
長い長い庭園を抜けると、
ステンドグラスの廊下に続く。
北斗の家は、鬼ごっこに最適だった。
あと…もう少しでステンドグラスが見える!
洋室に入ろうと思ったその時、ガクッと北斗が座り込んだ。
「ハァッ、はぁっ、
樹、ちょっとまって……ヒューッ、ケボッケボッ!」
「はやくしないと慎太郎につかまっちゃうよ!」
幼い頃の北斗は喘息も酷くて、鬼ごっこは長く続かなかったけど。
俺はまだ、彼を守れるほどの技量を持ち合わせていなかった。
「北斗様っ!?」
庭にいた きょも が、縁側から下駄を脱いで上がってきた。
「お薬を、!……慎太郎、戸を開けて」
「ん、ケホッケホッケホッ!…ヒューッ、はぁっはぁっ!」
きょもに抱きかかえられた北斗は苦しそうに俺の手を離した。
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作者名:あーちゃん | 作成日時:2020年9月3日 21時