Diamond in the “Laugh”【1】 (ページ9)

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Side BLUE

「抑うつ傾向がありますね…
身体的にもかなりガタが来てますので、点滴しておきます。」

医者からそう言われると、北斗は眠ってしまった。

「あ、あの、北斗は…うつ病なんですか…」

「んー、環境の変化が原因で、抑うつ症状があるのは確かですが…
現在は地方でのお仕事が持続しているのでなんとも言えません。」

先生からの曖昧な返事に俺の眉がピクッと動くのが自分でもわかった。

「うつ病となるとおそらく撮影が終わっても症状が続きますが…
適応障害といって、特定のストレス環境のみで症状が現れる病気もあります。
撮影から離れたとき、今の症状が軽減するとなればこれを疑います。

心の病気はさまざまですからね。

暫くカウンセリングに通院していただき、様子を見るのが良いかと。
撮影は残りどれぐらい続くのでしょうか？」

先生が尋ねると、
マネージャーがスケジュール帳を出した。

「予定としてはあと2週間です。
今日から3日間は、こっちでアイドル業の仕事があります。
YouTube撮影と新曲のレコーディング、振り入れ、最終日だけは雑誌の撮影があり、映画についてのインタビューも含みます」

「分かりました。
抗うつ薬を処方しておきますので、最終日にまた来てください。
パニックを起こしたあとでも、撮影はやりきったとのことだったので、今はドクターストップはかけないでおきましょう。」

その他は、身体的にも症状が出ているから、3日間の注意事項なんかを聞いて、北斗の点滴が終わるのを待った。

「北斗、無理しなくていいからな。」

「うん。ありがと」

人見知りのような、よそ行きの笑顔を見た。

1ヶ月前はかなりYouTubeも雑誌もかなり撮り溜めていたから、毎日嫌というほどあっていたが、長野に移動してからは、ほとんど声を聞いていなかったし顔も合わせていたなかった。
電話しても出てくれることも少なかったし、もっと気にかけてやればよかったなと後悔が押し寄せる。

最初こそ、口数は少なかったが、時間が経つに連れ、北斗の笑顔はいつものものに戻っていった。
なんならずっと喋っていなかったからか、めちゃくちゃ楽しそうにしている。

抗うつ薬が効いているんだろうか？

特に辛そうな様子を見かけることもなく3日目がやってきた。
心配だし台本を開かないようにと、無理矢理、家にジェシーや俺も泊まりに行ったが特段身体的症状もなく。
疲労はあるだろうけどよく寝てくれたし、むしろ顔色は良くなった。