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Side YELLOW
合図をしてゆっくり立たせる。
「いい？せーの」
お腹をグッと押さえて痛みを逃がすことに全精力をつぎ込んでいるらしい北斗は、足に力が入ってない。
何度もしゃがみ込みそうになるのを肩を組んで歩かせる。
「そのまま帰ろう。俺も行くからさ。」
やっと楽屋の前まで来たとき、俺と北斗の荷物を持って樹が出てきた。
「北斗、ゆっくり休めよ」
「うん、体に優しいもの食べてね」
「じゃあ、高地たち、よろしくね」
慎太郎、ジェシー、大我と続き、俺達はテレビ局を後にした。
「…北斗？」
マネージャーの車が進み出して数分。
樹に寄りかかっていた北斗が俺の袖を引っ張ってきた。
「マネージャー、コンビニ寄って！」
樹の言葉に驚きつつ、北斗を見ると顔面蒼白。
マネージャーは慌てて車線変更し、どうにか店の前で路上駐車した。
「はぁっ、……んっ、…ぅう、ごめ、どいて！」
辛そうにしているのにどこにそんな力があったのか、支えようとした俺のことを取っ払って、走ってコンビニに入っていった。
樹に支えられて戻ってくると、
ほぼ意識を失うかのように車内に倒れて込んだ。
「起きねぇな。」
「落ち着いているならそれでいいんだけどね」
樹も苦笑い。
北斗ん家の地下駐で3人とも降ろしてもらって、
俺は北斗をおぶって行くことに。
「樹、鍵探して」
カバンの中を漁ってもらうとすぐに見つかって、何とか部屋に入ることができた。
「あれぇ？こーち……？」
ベッドに寝かせるとやっと起きて、
寝ぼけ眼の北斗に見上げられる。
「あぁ。家、帰ってきたよ。大丈夫？」
「………だ、いじょぶじゃない……いったぁっ、」
暫くボーッとしたあと、
北斗はどんどん体を丸めて、お腹をおさえる。
また波がやってきたみたい。
「トイレ行く？」
「くうぅ、…はぁっ、」
問いかけに行くとも行かないとも言わない北斗。
「北斗、胃腸整える薬とか、無いの？」
樹がそんな様子を見て、薬箱を持ってきた。
基本的に薬は常備しているタイプだから、やはり持っていたようだ。
お湯で薬を飲むと、「あちっ、」と声を上げて、
俺も樹もクスクス笑った。
「これで少しマシになるといいけど。」
そのままお湯を湯たんぽに入れてやって、布団の中へ。
お腹のところを暖かくして暫く、
少しだけ表情が和らいだ気がする。
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年6月12日 16時
