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Side GREEN
北斗の声が聞こえなくなって少しして、
人が『大丈夫ですか！？』と声をかけるのが聞こえた。
場所を聞くと、北斗の家の近くらしい。
その人が救急車を呼んでくれることになった。
北斗は頭から出血しており、意識がないという。
救急搬送される予定の病院名を聞いてやってきたところ。
階段から落とされたってどういうこと？
頭の中がグチャグチャなのに、ただただ北斗の「助けて」だけが耳にこびり付いていた。
「慎太郎、行こう」
ハッ、と気付いたときには目の前にきょもがいて
立ち上がらされた。
その先には看護師と医師がいて、どうぞ、と病室に入っていく、北斗のご両親。
「……まだ目が覚めていないですが、元々体調が悪かったようですね。
貧血と睡眠不足、栄養不足……
幸い、骨に異常はありませんでしたし、頭の怪我も大したことはありませんが、出血が多かったので、人が通らなければ、…危なかったですね」
医師が告げると、北斗のお母さんは泣きながら、その手を握っていた。
この違和感に気付いていたのに、
病院に連れて行こうとか、必要なのはそういうことじゃなくて、
……俺達に必要だったのは“会話”だった。
今は一向に開かない目と口をただただ見つめるしかない。
お母さん達は警察と北斗の家に一度戻ることに。
俺達は5人で北斗のベッドを囲んでいた。
「……幻覚じゃなくて、ほんとにやばい奴いるってことだよね。」
「ストーカー、とか？」
きょもが苦しそうに言う。
そう口にすると、怖くなった。
昼間の北斗の怯えた様子を思い出す。
最後まで話を聞いてあげればよかった。
どれだけの恐怖と戦っていたんだろう。
「ほくと？…北斗、わかるっ！？」
その時、ピクッと瞼が動いて、俺は必死で肩を叩いた。
「……ん、…し、…たろ？」
「そう、…大丈夫？痛いよね」
北斗の目が俺の顔を捉えると、
北斗はポロポロ泣きだしてしまった。
「うおっ、…体起こして、平気？体制辛くない？？」
北斗は起き上がって、俺に飛びついてきた。
「こわ、かった、……こわい、………っ、」
「…ほくと……皆、ここにいるよ」
妹が小さい頃にやっていたみたいにギュッと抱きしめてトントンとゆっくり背中を叩く。
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年6月12日 16時
