____※ ページ41
※出血シーンあり
Side BLACK
「…え？…こんなことなってたの」
アドレナリンなのか、はたまた飲んでる鎮痛剤のおかげなのかよくわからないが、痛みは感じないのに、捻挫をしていない左足のかかとから出血している。
脱いだ靴下が血だらけだ。
「いつもと違う靴だから、靴ずれみたいになったのか……
詰物でサイズごまかしてるだけだもんな」
「えぇ！？ちょ、大丈夫かよ、痛くない？」
なんて二文も独り言をつぶやいて、
大騒ぎしている樹をよそにスタッフさんから絆創膏を受け取る。
「…大丈夫。」
どちらかというと右足の捻挫のほうが痛い。
頑張って注射したってのに。
＿＿＿＿＿
それでも自覚すると左足も痛くなってくるもんで。
「はぁっ、……はぁ、うぅ、」
「北斗、…あと少しだから」
痛すぎて歩けない。
マイクを通さずに聞こえる声。
腰に高地の手が添えられた。
「いたい、……も、歩けない、むりっ、はぁ」
そうして階段を降りきったとき、
ペタン。と横座りで座り込んで、
床に手をついて息を整えた。
「よく頑張ったよ……
もう大丈夫だから。楽屋帰ろうね」
慎太郎がやってきて、気が付いたら彼の背中の上にいた。
年下の子にこんなに気を遣わせて、不甲斐ない。
「はぁ、はぁっ、…疲れ、た、」
おぶられてもなお息が整わない。
「ほんとすごかったね、今日」
後ろから聞こえる京本の声と、
それに高地の鼻で笑う笑い声。
こういう暖かさが……たまらなく愛おしい。
「………ありがと、もう、無理しないから」
たまには、グループに頼ることも、いいよね。
Fin
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年6月12日 16時
