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Side YELLOW
毎日、病院に通った。
「痛い」「気持ち悪い」
この2大症状が常に付きまとっていた北斗。
鎮痛剤が効いている間は症状は落ち着くものの、ボーッとしていて、北斗じゃないみたいだった。
その二言以外だと
「仕事…っ、しごと、は…？」
「みんなちゃんとやってくれてるよ」
俺以外のメンバーがたまたま様々に個人の仕事が詰まっており、中々病院に来れない日が続く。
事務所の対応はジェシーとマネージャーにお願いしているし、俺はできる限り北斗のそばにいることに。
「何時…？」
「17時58分」
なぜそんなことを聞くのか、4日も経てばわかっていた。
「もう無理っ、…何も見たくない」
「北斗……でも、食べないと」
「見ただけで吐きそう。…苦しい…辛い」
もうすぐ夕飯を持ってきてもらう時間。
北斗はポロリと涙を流した。
「……北斗。」
こんなに助けを求めている北斗に何ができるか、正直誰もわからないでいた。俺だってそう。
だけど、今この瞬間は少なくとも、俺と北斗だけの空間で、北斗が頼れる人は俺しかいないんだ。
「北斗…あのね？
俺にはいくらだってなんだってぶつけていいよ。
それで、北斗の辛いの、少しでも拭えるなら」
グッと力の入る北斗の拳。
「……だけど…俺達が信じてきた言霊ってのも、有るんじゃない？
少なくとも、アイツら4人は、根拠は無くても笑ってるし、北斗は大丈夫だって、言い続けて仕事してる。
苦しいと思うよ。弱音吐くなって言うのは無理。
それでも、1つ弱音吐いたら、1つ…いや、2つ3つでも何個だっていい。その分、前向きなこと考えてこうよ。」
俺は北斗の拳を包むように手を重ねた。
大我みたいに背中を見せることは出来ないし
樹みたいに熱心に耳を傾けることは出来ないし
ジェシーみたいに情熱的な言葉はあげられないし
慎太郎みたいに些細なことに気付いて細かなサポートもできない。
それでも俺には、北斗とずっとやってきた年月がある。
それを途切れさせてたまるかよ。
「……カップ麺が食べたい」
「ハッ、笑
そのためにはまず、お粥と味噌汁からな〜」
相変わらず、変なやつだわ。
だけど、久しぶりにみた笑顔も相変わらずで。
「……恵比寿で焼肉。あと、焼き鳥頬張る。」
「食べることばっかじゃん！笑」
「皆で、…食べたい」
「…分かった。絶対6人で、ご飯行こう。」
2週間には、まだまだ及ばないけど、
俺は、北斗は大丈夫だと、そう確信した。
Fin
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年6月12日 16時
