Carat 7【転落事故】 ページ34
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いつもご愛読ありがとうございます！
お久しぶりの更新となりますが、お手柔らかにお願いします。
今回は流血表現を含みますので、苦手な方はご了承ください。
2020/11/18
あーちゃん
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Side BLUE
約1年ぶりのコンサート。
それは無観客で行われるとはいえ、
配信ライブは初めてだらけで。
いつもとは違うことがやれる分、確認事項も多い。
「だぁーーーーっ 高いって！無理！やだ！」
「これは確かに高いよね」
「ほくとぉ、助けてっ」
高所恐怖症の俺は、いわゆるフライングが苦手。
隣にいる北斗の手をぎゅっと掴んでゆっくり上がっていく。
勿論、安全装置もつけてるんだけどさ。
もしも、このワイヤーが切れてしまったら？
「あーーーこわぃっ！」
叫ぶしかできないままいると皆から笑われる。
それは勿論、隣にいる北斗も同じで。
「樹、大丈夫だよ。
そんなに掴まれたら逆に危ないぐらいだって 笑」
「うわぁぁぁ、うごかないで！離しちゃだめ！」
「ﾊﾊｯ 落ち着けよ 笑」
キュッと6人で固まっているからみんなが動くと俺もゆらゆらする。
北斗の忠告なんて聞いてられなくて。
とにかく、下を見ないようにして、
北斗の腕を鷲掴みにして、リハーサルを進める。
「じゅ、……樹、ちょっと離して」
「無理っ！」
「いや、なんか、変な音する…」
北斗が上を見上げる。
北斗の衣装に着いた一本のワイヤー。
ピン、と張っている。
「は？怖いこと言うなよ」
そこで手を離そうとしたその時だった。
「へっ、 北斗！？」
パチンッ！！！と大きな音が鳴って、
「北斗、危ない！！」
伸ばした手が掴めたのは、
手袋をした北斗の左手だった。
さっきのは、
北斗のワイヤーが切れた音…………？
「早くおろして！！」
「ひぃっっ！」
高地の声で急速に俺のワイヤーが緩む。
地面が近づいて行く。
驚いて俺は思わず声が出た。
「はぁっ、うぅ、……はぁっ、じゅり、…！」
「ほく、……はぁっ、頑張れ！」
右の肩が外れそうになって、必死で左手も伸ばして、北斗を掴む。
いや、掴めているのは多分、手袋。
「樹、…はぁっ、俺、も、だめっ！」
「ほくと！！」
地面までどのくらいの高さだろうか。
俺が掴んでいたのは、
やっぱり北斗の手袋だけで。
心臓が跳ねる感覚がした。
(CONTINUE)
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年6月12日 16時
