Diamond in the “Laugh”【1】 (ページ32)

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Side BLACK

「北斗、仕事が重なったから、体が休ませてって言ってるんだよ」

京本の手によってソファーに座らせられた。

「だけど、心が仕事したいって言ってる！
…じゃなきゃ俺、ジェシーに…みんなから必要とされなくなっちゃうよっ！」

「何言ってんの、笑笑
そんなことあるわけないよ。
熱があって頭が変になっちゃった？」

「俺は真面目に言ってるんだよ！！
…はぁっ、ゲホッ！！ゲホッゲホッ！」

大声を出したというのに、
京本は背中をさすってくれ、水をくれた。

「ごめんごめん。
……ジェシーと喧嘩でもしたの？」

「……違う。俺が、一方的に遠ざけた。」

「そ。…なら良かった。」

「良かったって、……良くないよ、だって、俺」

「ふふっ、大丈夫だよ。
俺達だって、喧嘩したわけじゃないだろ？」

この人には、かなわない。
そう何度思わせられるんだろう。

「はっくしゅっ…！……ﾊｧｯ……はぁっ、ｽﾞｽﾞｯ」

「寒いの？薬とか…持ってる？」

京本は自分の着ていた上着を膝にかけてくれて、
ティッシュを渡してくれる。

「……あー、そうだね、…薬が切れたみたい。」

「開けるよ？
……これか。横になって。塗ってあげる。」

「え、いや、えっ？…自分でやるよ」

「良いからっいいからっ」

半ば強引に体を倒されて、Tシャツの襟をグイッと下に下げる京本。
熱いからだと働かない頭が停止している間に、胸がスースーとし始めた。

「…はぁっ、……あ、りがと」

「どういたしまして。」

恥ずかしくて、恥ずかしくて、
安心して、すぐに俺は目を閉じた。

「しんどいね。よく頑張ってるよ。
SixTONESのために、北斗にしかできないことをやってくれてる。
だから、ここで北斗が体壊したら、代わりなんていないんだからね」

眠りにつく直前のその言葉は、
俺の心をあたためてくれた。

「俺にしか……できないこと…？」

「そう、北斗は北斗。
誰と比べることもできないし、皆それぞれにいいところがあるんだから」

これは夢なんだろうかと錯覚するほどの、
優しい言葉だった。