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Side BLACK
「……ｽﾞｽﾞｯ」
休みだと思うと気が緩んだのか、熱が上がってしまい、病院に行くことにした。
「1日3回、喉や胸のあたり、背中などに塗って使ってくださいね」
薬局で鼻詰まりの風邪に効くらしい塗り薬を貰い、フラフラと帰路につく。
……悪寒がする中、
このスースーする感覚はなんとも言えない…
そんなことが頭をよぎる。
医者からは1日ゆっくり休むようにと言われたけど、点滴をしてもらって少々楽になったし、塗り薬のせいで寝られそうもないから明日のセリフを確認しよう。
「……うーん、コバラ？…小腹か。」
静岡弁と東京のイントネーションの違いが分からなくなってしまう。
………それが、面白い。
夢中になって台本を読んでいると、
きゅるるるっとお腹が鳴る。
確かにコバラが減った。
もう夕飯の時間をとっくに過ぎている。
ご飯を食べて、薬を飲まなきゃ。
「でも………あと3ページだけ。」
_______________________
そんなことをやっていたら日が昇る。
気分は、
「最高だ！！！」
だって、あんな夢見なくて済むんだから。
「はいカット！いいねぇ、ほっくん！」
「ふふふ、ありがとうございます」
監督の掛け声で、
スタッフさんが周りに集まった。
「だけど……顔色は良くないようだね。
今日は一旦終わりにして、明日にしよう。
クランクアップまであと2日、よろしくね」
「いえそんな！僕は大丈夫です！
………はっくしゅん！！」
監督の背中に声をかけたが、鼻声になってしまった。
スタッフさんからティシュを受け取る。
「大丈夫、心配しないで。
明日午後からだった予定を午前からにしよう。」
「あ。いや、でも………はぃ」
このあとはSixTONESの仕事が入ってる。
そちらをおろそかにしてはいけないのは勿論、分かっている。
「えっと………はぁっ、…あっちか」
途端に働かなくなった体は熱く、ふわふわしていて、楽屋に向かって壁を伝って歩いた。
「はぁっ、………はぁっ、ん、ｹﾎｯケホッ」
「………北斗！！！」
倒れる！と思ったのその時、誰かが俺の体を支えてくれた。
「はぁっ、ジェシーっ！？」
「大丈夫？……残念ながら、京本だけど…
北斗ってば…凄い熱…寝てなくちゃっ」
京本は俺のおでこに手を当てると、
腰に手を回して一緒に歩いてくれた。
「いつから体調悪かったの？」
ポロポロと涙が出てくる。
「…もうずっと。分からないよ…」
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年6月12日 16時
