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Side YELLOW
どれぐらい時間がかかったか分からない。
「……言えなくて、……ごめんなさいっ、」
すべてを洗いざらい話した北斗はもう涙が枯れたんじゃないかというほど泣いていた。
特に事故のことを話すのは辛そうだったから、ほとんど俺から話をした。
「でも、お願いっ！
仕事は絶対、ぜっったいにやり遂げたいっ………
また、はぁっ！………ﾊｧｯ、はぁっ、……
俺のせいで、迷惑なんか、かけたくない！」
「落ち着いて。北斗……大丈夫だから」
ジェシーが北斗をギュッと抱きしめた。
「……迷惑だなんて誰が言ったの？
あのね。北斗…倒れたとき、怖いって言ってた
でも大丈夫。一人じゃないから。皆いるから」
また苦しくなっていた北斗だったけど、ジェシーの言葉にみんなが頷いたのを見ると、やっと、落ち着いたようだった。
「北斗、ちょっと休もう。
イヤなこと思い出させてごめん。
仕事の事は、また明日考えよう」
樹が声をかけるとすぐに、北斗は眠りについた。
やはり最近の無理による負担で心臓の血液の流れが悪くなっていたのだと加えて医師から説明がある。
北斗が聞いたらどう思うだろうか。
俺は眠る北斗の手を握った。
「……みんな、ごめん、…」
自然と触れた言葉が、
握る手が震えてしまったことが、
自分の今までの行いのすべてを物語ってた。
「ごめん、……ごめんな、……っ、
北斗…ほんとに頑張って治療したんだよっ…
MRIだって今は何とか一人で入れるようになったし、…ステージ裏だって、少しの時間なら大丈夫になったし…
だからっ、……せっかくここまで来たのに、
皆に心配かけるからって頑張ってるところに
水をさすことはできなかったんだ、」
何度ぬぐっても、涙は止まらなかった。
「結局、こんな形になっちゃって、
台無しにしちゃったけど」
「……話してくれて、ありがと、高地」
暫く、慎太郎が背中を優しく撫でてくれていた。
「…少しの間スケジュール調整して、
精神的な負担がかからないように映画スタッフには周知して、医師同行で撮影なら許可だって」
いつの間にか樹が病室に戻ってきた。
事務所の人と医師と話してくれたらしかった。
1週間の入院でやっと退院できて、
それからも撮影のたびに無理してはいたけれど、
「ほくちゃん、今日はもうだーめAhaha」
台本を取り上げられた北斗はまた犬歯を見せて笑っていて、
それを見て笑う4人がいて。
俺が側にいるから。
Fin
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年6月12日 16時
