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Side YELLOW
「北斗が意識を失った！！」
ジェシーが懸命に声を上げた。
4人で楽屋を飛び出し廊下に出ると、
床に倒れて浅い息をする北斗を抱えている。
「か、過呼吸みたいになって！
そのあと、胸が痛いって言い出してそのまま！」
ジェシーが北斗をギューッと抱きしめる。
「薬っ！北斗のカバン取って大我！」
「え！？薬ってなんの！？」
「いいから早く！
樹はスタッフさんに連絡、救急車用意してもらって！
慎太郎は毛布もらってきて！」
シュッとスライドして貰い、北斗のカバンから薬を出す。
水無しで飲めるものだと分かっていたから、すぐに口に入れてやり、皆に指示を出す。
「………高地、これ、どういうこと…抗不安薬？」
大我がカバンから『お薬手帳』を取り出した。
「はぁっはぁっ…はぁっ、……こち、」
「北斗……大丈夫、落ち着いて、ゆっくり」
「ﾊｧｯ…はぁっはぁっ…ｹﾎｯｹﾎｯ！」
北斗が意識を取り戻したものの、恐怖心からか震えて呼吸はままならない。
「……高地、何か知ってるの？
北斗がずっと苦しんでたの、知ってたの？」
ジェシーが見たことのないぐらい真っ青な顔で見つめてきた。
「………俺の、せいだっ…」
今俺にできるのは、救急隊員に病名とかかりつけを伝えることぐらいで。
大我から手帳を奪い、北斗の荷物と一緒に救急車に乗り込んだ。
____________________________
「…循環器科って、どういうことだよ、」
泣いている慎太郎が医師から貰った名刺を指差した。
抗不安薬のことは大我から聞いていたろうし、過呼吸を起こしたという点からも精神科だろうと思ったに違いない。
「……俺が、…もっとしっかりしていれば…
ごめん。皆に、話さなきゃいけなかったのに。」
北斗の無事がわかり、安心するのもつかの間、
すぐに後悔の念から悔し涙が溢れた。
いつかこうなる日が来ることを分かっていたのに、どうしてこうなった？
「……っ、仕事…はぁっ、」
北斗が目を覚ますとすぐにそんなことを言い出した。
「北斗くん、映画はこれ以上の続行不可だよ。
暫く入院してなくちゃ」
「そんなっ！！やだ！やだよ！俺できるから！」
医師の先生と暫く口論を続ける北斗。
涙を浮かべてゼーゼー言ってるのを、思わず背中を擦った。
「…俺も北斗がやりたいことはやらせたいんです。
だから、俺達も納得できるように、説明してください。」
口を開いたのは、ジェシーだった。
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年6月12日 16時
