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____2020
Side YELLOW
「どうしたの、3人揃って。」
「「北斗！」」
健人と風磨の顔を交互に見たあと、
ビクッ！と目をそらした北斗。
「……えっと、…
北斗は最近、買い物とかどこ行ってんの？」
風磨が白々しく聞くと、北斗は怪訝な顔を見せて、口をムッと一本に閉じてしまった。
「……とにかくちょっと座ろう。」
健人の提案で一度4人でテーブルを囲むことに。
「…高地、何言ったの」
「……何も言ってない。」
俺はスマートフォンを取り出して、
今日一日中トレンドしている記事を開いた。
「お前が……暗くて、狭くて、怖い。
ホラー映画に出るって話は、もう国中が知ってるぞ」
北斗は眉間にシワを寄せて、俺達を見回した。
「もう大丈夫。今がチャンスなんだよっ。
………またチャンスを逃すわけにはいかない！」
「ただでさえ今はスケジュールが詰まってる。
映画の内容はもちろんだけど、仕事仕事仕事じゃ全部がおざなりになるぞ」
バンッ！と北斗が立ち上がる。
「仕事の心配してるなら余計なこと言わないで。
俺はやってみせるからっ！」
「……違う！北斗の心配をしてるんだよ！」
北斗は少し目に涙を浮かべている。
どうしてこうなった？
「…北斗、……俺は、頑張れる人を知ってる。
北斗もそうだとは知ってるよ。
だけど、お願い。…頑張るだけじゃだめ。
…高地でもいい。菊池でもいい。
俺でもいいから、少しは、頼って」
健人の真剣な眼差しに、
北斗は深呼吸をして、もう一度、俺の横に座った。
「…心配かけて、ごめんね。ありがと。
俺、いつまで経っても、子供みたいだね」
「分かってんじゃん、笑」
風磨に犬歯を見せて笑う北斗を見ると、少し気持ちが落ち着いた。
その日のMステは
「……はぁっはぁっ…ふはは！楽しかった！」
「そうだな。苦しいだろ、」
「大丈夫！こーちは心配し過ぎなんだよ、笑」
こんな日が来るなんて、思ってもないほどの、
不思議な光景だった。
「高地、どうかしたの？」
「何もないよ。
ってそれ俺の洗顔料だぞクソ坊っちゃん！」
「ふふふっ」
……大事な問題は、別のところにあると言うのに。
また、俺達は、それを先延ばしにした。
その罪悪感だけが少し大きくなった。
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年6月12日 16時
