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____2009
(流血表現ありなので苦手な方はご注意ください。)
Side YELLOW
結果から言うと、
俺達を乗せた車は、横転したまま滑って近くの崖から落ちた。
先述したように、その日は雨が降っていて真っ暗の中で、周りが見えなかった。
「…！！？…北斗！起きろ！」
しばらく気を失っていたらしい。
ハッと目覚めて起き上がったその時、北斗は浅い呼吸をするだけで、意識が無かった。
「はぁ、…はぁっ、健人！！！風磨！！！」
ガンガンガンっ！と音の鳴る方を見れば、車の外にこちらを見下ろす2人の姿があった。
ポタ、ポタ……と赤い雫が上から落ちてくる。
雨と混じった血液。
「はぁっ、……出られないっ！」
そこで俺の意識は途切れた。
「はぁっはぁっ、……っ！俺のせいで！
俺のせいで事故がっ！みんなを危険に晒した！」
北斗は目覚めてすぐにパニックを起こした。
心臓の発作は、過度な運動と睡眠不足等の不規則な生活が原因で心臓に負担がかかったこと、体の成長により薬の量のバランスが崩れたことなどが上げられた。
無理をすれば北斗の体に負担がかかる。
このときやっとその意味を理解した。
事故の大きさとは裏腹に、案外怪我は酷くなかった。程なくして俺達3人は退院した。
「怖いっ…嫌だっ！………ﾊｧﾊｧﾊｧｯ！はぁっ、」
MRIの検査を前に、過呼吸を起こす北斗は見ていられなかった。
暗くて狭い場所に入れられることが怖い、
閉所暗所が怖くなったのは俺も同じで、
車椅子から手を伸ばして泣きついてくる北斗を抱きしめ返して背中を撫でた。
「北斗……大丈夫だよ、…ここは安全だから」
何度も何度も言い聞かせた。
「…北斗、頑張ろうよ。
退院できなかったら、紅白に出られないよ」
「っ、でも！……はぁっ！」
「怖くないよ、俺達待ってるから」
健人も風磨もいつも通りの優しい声だった。
PTSD。そう診断されていた。
パニック発作は、心臓に負担がかかる。
そして、PTSDの治療自体も北斗を苦しませていた。
なんとか年末からは復帰して、仕事をこなしていた北斗だけど、雨の日や夜、暗い場所ではいつも震えていた。
「……ねぇ、北斗…病気のこと、話したほうが…」
「絶対にだめ！！
……もう、俺の病気のせいで、誰かに迷惑かけられないよ！」
そう言っていた矢先。
2010年3月2日。
NYC の正式デビューが決定した
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年6月12日 16時
