Carat 4【摂食障害】※ ページ16
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いつもご愛読ありがとうございます。
タイトル通り、かなり嘔吐シーン等あると思いますのでご注意ください。
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side BLACK
最初は、いつものごとく、ドラマに出るためのダイエットだった。
但し問題は物凄く精神的に追い込まれるような役どころだったことと、アルバム製作とそれを引っさげたライブツアーが重なっていたことだった。
「今日ぐらい、ちゃんと食べろ」
薄々勘づかれていることに気付いていたが、バレてないバレてないといい聞かせていた。
「じゅ、樹、ちょっとそんな言い方しなくても。
北斗、食べれそ？…それとも、体調悪いとか？」
慎太郎が間に入ってくれて、気遣いの言葉をかけてくれる。
でも、俺に出されたものじゃないのに、慎太郎が自分のために持ってきたケータリングなのに、
「っ、ん、………ﾊｧｯ……ごめ、」
その日は緊張からか、慎太郎の手元の食事を見ただけで吐き気を感じて、すぐにトイレに走った。
すでに全く胃に何も受け付けていない俺にとっては胃液がやけに酸っぱくて情けなくて、
「おえぇっ、…ﾊｧｰｯ…ﾊｧｯ、うっ、…」
苦しくて気持ち悪くて、手が震えた。
「北斗…ねぇ、病院行こう。」
初日を明日に迎えた今、俺自身もさすがに食べないとマズイことも分かっている。
添えられたジェシーの手もまた震えていた。
診断は拒食症だった。
もちろん自覚もあったし、体重は激減、栄養失調貧血等の不調で体も心もボロボロ。
それでもステージでは別の自分になりきって、何とかやり過ごす。
スタッフさんやメンバーの協力のおかげで、医師とツアーを回ることになった。
もちろん、ドラマの撮影は続いて、すり減っていたし食べられやしなかったけど、
団扇には“ご飯食べてね”といくつも書いてあって自分が相当にやばいことを実感した。
「ほくちゃん、座りな？」
いつものようにリハーサル映像を見ている5人。
俺が後ろの隙間から覗き込もうとすると、引いてきた点滴がガラガラ鳴ってしまいジェシーが振り返った。
「…ん、ごめ」
ジェシーは座っていた椅子を譲ってくれて、いつものように皆と確認。
「………っ、」
今や俺達のライブに欠かせなくなった脱ぎの演出で、服を脱いだ自分を見て息が詰まる。
そりゃファンの人も皆、飯食えって言うよな…
樹や高地よりもガリガリだし、正直言って、自分の体が気持ち悪いと思ってしまった。
「っしゃ！ラスト会場！」
パンッ！と樹が手を叩く。
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年6月12日 16時
