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side GREEN
「ちがっ、…でも…」
北斗は悔しそうに拳を握りしめていた。
「…皆に迷惑かけるのも、お荷物だ、要らないって言われるのも怖かった。
だから昨日、嬉しかったよ。
慎太郎がついていくって言ってくれて。」
先生の前だけど、自分でも驚くほど、その言葉には色んなものが込み上げ、何も言えなくなってしまった。
「今回の熱は感染症の原因ではなく、精神的なものだと思います。
ただ、腎機能が以前より悪いことは自覚していてください。
昨日の吐き気なども尿毒症による影響です。
しばらく入院してゆっくり休んで体調を整えてね。
森本さんの言うとおり、無理してはいけません」
北斗は項垂れて、目を閉じた。
マネージャーとメンバーに連絡をして、入院手続きをして、北斗の家に着替えを取りに行くことにした。万が一のため、入院セットは常備してある。
北斗と言葉を交わすことなく、病院を出た。
再び戻ったとき。
どうも、扉が重たく感じて中に入れなかった。
「慎太郎！北斗は？！」
後ろからきょもに声をかけられた。
隣には樹。二人で一緒に来たんだろう。
「あぁ、…」
樹は何立ち止まってんのとでも言うように軽々と扉を開けた。
中には心配気なジェシーと高地がいて、北斗は眠っていたのを目を覚ました。
「……あれ、いつの間に…」
「いつの間に、じゃねぇよ！
心臓飛び出るかと思った！」
高地の罵声が飛ぶ。
みんなも頷いて、
「大丈夫なの？」「しんどいとこない？」
「起き上がれるか？」
などと口々に心配の声をあげた。
「…ごめん。迷惑かけて……悪化しちゃった
入院だって…ドラマの撮影あるのに。
せっかくもらった仕事、台無しにして、…」
お荷物かな、俺。
言葉にはされなかったけど、
何故か俺にはそんな心の声が聞こえた気がした。
「ねぇ北斗。
俺達が北斗のこと…北斗の病気のこと、迷惑だなんて思ってたら、今ここに集まってないよ。
皆飛んで駆けつけてくれたんだよ。
気付いてよ、俺達がどれだけ北斗のこと想ってるか、心配してるのか…
俺達が、皆が、北斗のことお荷物だなんて、
そんな酷いこと思うような奴らだと思う？」
確かに病気で辛い思いをしているのは北斗。
だけど、俺達だって、一緒に戦ってきた…戦ってると思ってたのに。
怒りというよりは悲しい気持ちのほうが強くなって涙が出てきた。
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年6月12日 16時
