Diamond in the “Laugh”【1】 (ページ12)

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side GREEN

その下腹部に、腹腔カテーテルが埋め込まれている。北斗はその周囲を除菌し、また服を着た。

「ふぅ……下向いてたら酔っちゃった…ご飯もとりあえずいいや…少し寝るね」

「ん。無理せず寝ちゃいな」

時刻は17時30分。
22時には、お家に帰って、ご飯食べて入浴もしてベッドに横にならないと。

北斗はAPDという人工透析を受けているから。
腎臓病が見つかって約1年弱。
お医者さんと相談しつつ、比較的時間的拘束のない腹膜透析という方法で治療をしている。
お腹の管を使って透析液を注入して血液を浄化するんだけど、その頻度を減らす代わりに夜間寝ている間ずっと機械に繋がってなきゃならない。

さっき間に合うの？と聞いたのはそのこと。
透析の時間に間に合うのかって話。

ドラマを引き受けることを止めなかったのは俺達。
眠る横顔を見ていると、皆からの心配そうなメッセージが入った。
だから隠れて寝顔を撮って、グループに送って見ると各々盛り上がってた。

事実、透析を始めてすぐの頃は物凄く調子が良かったように見えた。
本人も病気がわかってショックを受けていた分、完全に治らないにせよ進行を食い止めることができて、寧ろ快方に向かって喜んでいたし。

「……北斗、おはよう。調子どう？」

「…んー、何か…だるいけど……疲れてるだけだと思う。病院行かなくちゃいけないかな……
慎太郎、明日の午前中休みだっけ？」

不安げな顔に少し驚いた。
最近、素直に症状を教えてくれるようにはなってたけど、「でも大丈夫」が口癖だから。
年下の俺の前だと特にそうだと思ってたから、頼られて嬉しい反面、よほどしんどいんだろうと悟る。

「うん、休みだよ！送ってく。
つーか、行く。今日から北斗ん家行く。」

心配症だねってまた言われてしまわないように努めて明るく言うと、
戸惑ったように「ありがとう」と言ってくれた。

マネージャーにあとをお願いし、自分は北斗のドラマの現場から最寄りの駅で電車に乗って自宅に戻り、シャワーやら着替えを済ませてから、車で北斗の家に向かう。

「よく頑張ったね。
もうあとは薬飲んで寝ちゃおうね」

マネージャーに抱えられるようにして降りてくる北斗。
さっきもそこそこだったが、ここまでしんどそうなのは驚いて反対側から俺も体を支えた。

熱い。