隣には《リク》 ページ45
Side BLACK
地方でのコンサートを終えていつものように樹と二人でのホテル。
「少しは落ち着いた？」
「あぁ、ありがとう」
樹は部屋に備え付けのポットで、温かいお茶を入れてくれた。
というのも、コンサートを終えて裏にはけるといつも以上に息が整わなくて、そのまま喘息の発作を起こしてしまったのだ。
今日は1公演だったから良かったけど、明日は2公演ある。
大事を取って、例の薬に頼ることにした。
今のところは副作用も辛くないし、呼吸はとても楽になった。
「樹、もう寝るの？」
「お前も今日は早く寝たほうがいいだろ」
お茶を飲み終えてすぐに、樹は洗面台に向かった。
いつもだったら、ジェシーが部屋に来たりするんだけど、樹はもう寝る準備に入ろうとしてる。
仕方ないか、体調を整えなきゃいけないのは事実だ。そう思い、二人で並んで歯を磨く。
「樹…？」
部屋を暗くして、簡易照明を1つだけつけた状態でそれぞれのベッドに入った。
俺の左側に樹がいる。目を瞑ってるけど、寝息は聞こえないから起きてるんだろうと思って声をかけた。
「ごめんね。今日、迷惑かけて」
「なに、迷惑って」
目を瞑ったままの低めの声。
「……発作、起きるなんて思ってなかった。
ライブ中は特に体調悪かったわけじゃなかったからさ」
でもアンコールの時とかちょっとバテてたのかな。ファンのみんな気にしたかな。
こんなことは初めてで、少し不安になる。
「いいんだよ。
楽しくライブが出来たなら、それで。
明日もあるんだし、もう寝ようぜ」
樹は目を開けてこちらを見たあと、少し頬んで、再び目を閉じた。
しばらくすると、左側から静かな寝息が聞こえてきた。
「…っ、さむ…」
布団の中にいるのに手先足先が冷たいままで。
でも樹はパンイチで寝て、布団も捲り上がって体が出てるから、部屋の中は寒いわけじゃないんだろうけど。
副作用かな、
さっきせっかく温かいお茶飲ませてくれたのに。
必死に耐えながら、目を無理やり閉じる。
今日のライブのこと、発作のことがグルグルと頭をループして、寝てるのか夢なのかよく分からない状態が続いた。
そんなとき、
____ガタガタ ガタガタッ
さっき使ったコップたちが音を立てた。
「っ、……じ、しん？」
パチッと目をあけて、あたりをキョロキョロしながら起き上がる。
「ふっ、………はぁ、……ん、…」
体が震えて、声が漏れる。
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あーちゃん(プロフ) - サンリオさん» 長編の長編なのに（笑）読んでいただきありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです。更新しばらくお休みしますが、他の作品を更新していきますのでよろしければぜひ(^^)ありがとうございました！ (2020年4月26日 20時) (
レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
サンリオ(プロフ) - 最初から全部見させていただきました。引き込まれて物語に感動しました (2020年4月26日 20時) (レス) id: 5077a20014 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - Reiyuさん» ありがとうございます〜(TT)初披露のとき、この曲聞いて震えたの今でも鮮明に覚えてます。私も大好きな1曲です！お楽しみいただけて良かったです。今後もよろしくお願いします！ (2020年4月22日 21時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - haru0712さん» わー、一気見してくださったんですね！嬉しいと同時に恥ずかしい…笑 ありがとうございます！こちらが願望でそう見えてるのかもしれませんがw今後もよろしくお願いします！ (2020年4月22日 21時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
Reiyu(プロフ) - Rollin’。凄く凄く大好きです。曲は元々好きでしたがあーちゃんさんの小説のおかげでさらに好きになりました！とても面白いお話をありがとうございました。次回作も楽しみにしています！！ (2020年4月22日 21時) (レス) id: c35ca9cb0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年4月3日 15時
