_ ページ31
Side BLACK
寒い玄関にいて良くなるはずもないんだけどさ。
「うごけねぇ…ゴホゴホッ！…」
これ、やばいやつ。
と、おもいながらも、疲れからの発熱だといいな。だなんて頭をフル回転させる。
「っ、しん、たろ…？」
今日はDASH島に行ってたはずだ。つまり、明日は休み。
パッと今すぐ思い出せたのは彼ぐらいだった。でも、絶対疲れてるのに。
『おう、北斗。お疲れ！どした〜？』
賑やかな音がスマホから聞こえた。
慎太郎のことだ。きっとスタッフさんとご飯でも食べているのだろう。
『…おーい、北斗〜？…北斗！具合でも悪いのか！？』
だんだん意識が遠くなってきて、ただ呼吸することに必死だ。
せめて黒田先生とかマネージャーさんとか、秋山君でもいいぐらいなのに、なんで俺は…
「北斗！良かった…ごめん。勝手に部屋上がったよ。もう平気？」
目が覚めれば、慎太郎の焦った顔が視界に入った。
「ケホケホッ、く、るし…はぁ…」
「苦しいか、もう一回、吸入しとこ」
慎太郎はそう言って、体を起こしてくれて、そのまま口に吸入器をあてがってくれた。
いつの間にやら、ベッドの上だ。
冷えピタもおでこについてはいるけどもうカピカピだし、
慎太郎が来てくれてもうかなり経つのだろう。
「貧血は？足高くしといたからマシになってるといいけど…」
「ほんと、ありがと…しんどいけど…多分熱のせいだから」
ぶるぶると身震いしつつまた布団にもぐりこむ。
喘息と咳は落ち着いたけど、ひたすらに体が重たくて重たくてまた目を瞑ってしまう。
「今朝、病院行ってたんでしょ。なんだって？」
「最近、寒暖差が激しかったから喘息が出たんだって言われたけど、
今日の感じだと風邪ひいたっぽい…かも。わかんね…朝は熱なかったんだけどさ…」
「そっか、そっか。急に熱が出て、びっくりしたんだね」
お腹のあたりをポンポンされると安心からか、少し泣きそうになる。
ガキみたいだな、俺。しかも慎太郎のほうが、年下なのにさ。
「しんたろ。ごめん。疲れてるはずなのに。…楽しかった？」
「うん、めっちゃ寒かった！(笑)」
「ふふふ、話して？」
「でも北斗、寝てないと…」
「…ううん。慎太郎の話、聞きたい」
俺がそう言うと、慎太郎はクシャ、っと笑って話を始めた。
ウトウトなりながらも彼の話を聞くのは心地よかった。
だって、一人でずっと喋ってんだもん(笑)
あと残り数日。慎太郎のおかげで、悔いなく終われそうかな。
fin
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 415人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
H.M. - あーちゃんさん» ありがとうございます。年齢設定がしてあるようで表示されませんでした。【夢の中で】は読めないようなので【Rollin'シリーズ】のほうを楽しみにしていたいと思います。お手数おかけいたしました。 (2020年3月3日 11時) (
レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» 拍子ではなく、表示でした。失礼しました。よろしくお願いします。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» ←「あーちゃん」を開いて頂くと、私の作者ページに飛ぶと思います。そちらで拍子できない場合は、18歳以上の年齢設定をしてないと思われます。申し訳ございませんが、これ以上のお答えは出来かねますので、ご容赦ください。ありがとうございます。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
H.M. - 【夢の中で】をどうすれば読めるでしょうか?よくわからなくて… (2020年3月3日 8時) (レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - y_さん» いつもご愛読、コメントありがとうございます（ ; ; ）またお楽しみいただけるよう頑張ります！ (2020年3月2日 22時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年2月7日 16時
