_ ページ18
Side BLACK
本番一日目。
怪我をしたところは自分で湿布を貼ってグルグル巻に包帯を巻いて、長めの靴下で隠した。
幸い、頭痛が酷い俺は、黒田先生が処方してくださっている鎮痛剤があって、調べてみると捻挫の痛みにも作用するようであったから頼ることにすると、確かに会場についたときには普通に歩けるようになっていた。
まぁちょっとしたタイミングで体重のかけ方を間違うと悲鳴を上げそうになるんだけど。
「北斗！久しぶり。元気にしてるか？最近メシ行けてへんもんなぁ。」
「はまちゃん！…今日は体調もいいよ」
鏡で髪を整えていると、ジャニーズWESTの濱ちゃんが到着。一緒のステージに年末以外で立てるなんて不思議な気分。
嬉しく思うと同時に、一瞬たりとも油断できないなと思う。ちょっとした合間にも先輩後輩が周囲にいて、様々に交流しあっている。
もちろん、気を抜いてたら、怪我のことを指摘されるかもしれない。
そう分かっていても、今にも「助けて」と言ってしまいそうになっていた。
「ハァッハァッ…うぅ、っ、」
ドサッと椅子に腰掛けて、ズキズキと痛み始めた足に顔が歪む。薬がキレ始めてるのか、その効果を越えるほど酷い痛みなのかは定かではないが、無意識に庇って変な走り方になっているのか、怪我をしてない方の足も痛い。
「北斗、大丈夫？落ち着いて」
「はぁっ、はぁっ、…んっ、へ、いき…」
慎太郎に背中を擦られて顔をあげる。
まだあと1時間を残しているのに、あまりの痛みに不安になって呼吸が乱れる。
それぐらいはいつものコンサートでもあることだ。スタッフさんが酸素を渡してくれて、幾分呼吸は楽になった。
「ごめんごめん。そろそろ着替えないとね」
出演者が多い分、裏にいる時間が長くてまだ助かった。
慎太郎にサポートしてもらいながら着替えをすすめる。
「良かった。苦しかったら言うんだよ」
心配そうな慎太郎に大丈夫。と笑う。
演技力にはそこそこ自信もついてきた。
しかし、そのせいで、もはやもう演技を続ける以外の選択肢がなくなってしまった。
こんなに辛いなら早く誰かに伝えておけばよかった。
アンコールが終わったときにはどうやって歩けばいいのか分からないほど、呼吸も乱れ、足は痺れていた。
「よく頑張った！戻ろうな」
高地に囁かれ、そっと腰に手をかけられて、引きづられるようにステージからはける。
「はぁっ、こ、ち、…ハァッ、まっ、て」
「えっ？…え、おい！北斗！！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 415人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
H.M. - あーちゃんさん» ありがとうございます。年齢設定がしてあるようで表示されませんでした。【夢の中で】は読めないようなので【Rollin'シリーズ】のほうを楽しみにしていたいと思います。お手数おかけいたしました。 (2020年3月3日 11時) (
レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» 拍子ではなく、表示でした。失礼しました。よろしくお願いします。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» ←「あーちゃん」を開いて頂くと、私の作者ページに飛ぶと思います。そちらで拍子できない場合は、18歳以上の年齢設定をしてないと思われます。申し訳ございませんが、これ以上のお答えは出来かねますので、ご容赦ください。ありがとうございます。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
H.M. - 【夢の中で】をどうすれば読めるでしょうか?よくわからなくて… (2020年3月3日 8時) (レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - y_さん» いつもご愛読、コメントありがとうございます（ ; ; ）またお楽しみいただけるよう頑張ります！ (2020年3月2日 22時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年2月7日 16時
