「目を閉じているあいだに」《リク》 ページ13
Side BLACK
グリーンバックに響き渡る水音。
「紅に染まるまで 雨に打たれて」
何度も何度も繰り返し歌っては身体を拭いて、
「しゃぁぁ！」
そう叫んではカメラの前に立つ。
助けてなんて言えないし、言うつもりもない。
みんなとともに1つの作品を作り上げる。
「以上でーす！！」
その声で、皆が「あざしたー！」なんて言いながら、水面にダイブする。
お疲れ様って笑い、はしゃぐ皆の水しぶきが俺の頬にまでかかった。
「はぁっはぁっはぁっ」
俺もその場で力が抜けて、バシャッと音を立てて座り込んだ。
「いい感じです！
じゃあ最後にコメントお願いします」
メイキングカメラを持ったスタッフさんに言われて、皆でその前に立つ。
水分を含んで重たい上着を脱ぐべきか否か迷って、そのまま着たまま立ち上がる。
目の前がチカチカして、歯もガクガクと音を立てる。寒い。上着から、いや、全身からダーッと水が滴る。水風呂から上がるみたいだ。
「_______とおもいま___」
「___だったので… ____」
皆が何言ってるか分からなくなってきて、まずい、と感じたけどどうするべきかまではアタマが働かなかった。
グラグラとしているだろう体を抱え込むように両腕を胸の前でクロスさせてギュッと上着をつかむ。
「ふふふ、」
「何笑ってんの(笑)」
「はぁっはぁっ…ふふ」
もう笑うしかない。
いや、なんかあの高地のポーズみたいだなって思っただけなんだけどさ。
口にできるほど呂律も回んないし、呼吸するのがやっと。
「…ほくと！」
ガンッと背中側に抵抗なく倒れてしまった。
皆が呼ぶ声がする。水しぶきを上げてしまった。メイキングカメラにかかってるかもしれない。
「うっ、はぁっはぁっ」
気遣える余裕はなく、身体が震えて止まらない。
「さ、む…はぁ、はぁっ」
頭がガンガンといたんで、手先足先もジンジンして、樹が手を握ってくれてるみたいだけどほとんど感覚が無かった。
「はぁ……んっ」
早かった呼吸がだんだん出来なくなって行く。
気付けば、されるがまま暖かな暖房器具の前にいた。衣装を脱がされ、耳に体温計を入れられる。
「北斗っ、北斗すぐ病院行こうな」
「うっ、はぁっ」
返事もままならず、また意識を手放した。
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H.M. - あーちゃんさん» ありがとうございます。年齢設定がしてあるようで表示されませんでした。【夢の中で】は読めないようなので【Rollin'シリーズ】のほうを楽しみにしていたいと思います。お手数おかけいたしました。 (2020年3月3日 11時) (
レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» 拍子ではなく、表示でした。失礼しました。よろしくお願いします。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» ←「あーちゃん」を開いて頂くと、私の作者ページに飛ぶと思います。そちらで拍子できない場合は、18歳以上の年齢設定をしてないと思われます。申し訳ございませんが、これ以上のお答えは出来かねますので、ご容赦ください。ありがとうございます。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
H.M. - 【夢の中で】をどうすれば読めるでしょうか?よくわからなくて… (2020年3月3日 8時) (レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - y_さん» いつもご愛読、コメントありがとうございます（ ; ; ）またお楽しみいただけるよう頑張ります！ (2020年3月2日 22時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年2月7日 16時
