_ ページ29
Side BLACK
「北斗、そういや、マスクまだ家にある？
ママたちが沢山買いだめしてたから、無くなる前に言えよ？」
慎太郎がふと声を掛けてくれて、俺も頷く。
「うん。実家から少し届いたから大丈夫。地方のほうが手に入りやすかったみたい。
それでももう今じゃ買えないらしいけどね。アルコール類のほうがなかなかなくて…
まぁ。もともとから持ち歩いてたやつもストックしてた分あるけど、あと家に一個だけかな…」
インフルエンザの予防対策で常日頃から除菌シートとか、手ピカジェ〇とか使ってたけど、
今や、都会は特に買えないし、静岡でも見てはくれたようだけど、物流が止まってるらしい。
「トイレットペーパーは、ほんと困ったね。どうしようね。うちもあと３ロールだよ(笑)」
京本が苦笑いして言う。うちも騒動が起きてからは新しく買えてなくて、皆が来るとなると危ういかも。
「なるようになるよ。心配してちゃきりがないからAHAHA」
ジェシーが笑うと、皆もそうだね、と頷いた。
「京本も舞台あるんだし、マスクとかきちんとしろよ」
「ふはは、ありがとね」
もしも公演があれば、必ず良いものを届けてほしいから。
「大丈夫？顔色悪いね。もう少し寝ておく？」
高地がボソッと声を掛けてきた。
「あ、うん。…ありがと。そうするよ」
お言葉に甘えて横になることにする。
“お年寄りとかさ〜持病のある人なんて、ねぇ？
普通の風邪なんかでも死んじゃうんだし、あんまり神経質になられてもね(笑)”
昨日、そんな若者の言葉を電車で聞いた。
…こちらは命がけで電車に乗ってるってのに。
幸いにも俺は今のところ症状もないし、何とかやってるけど、さすがに神経質にはなる。
「黒田先生に聞いたら、次に輸血出来そうなの3日後だってさ。でも、俺はまだ大丈夫、なんて言って」
「…無理しなくていいのにな…」
目を閉じたまま、何かが頬に触れた気がして、少し意識が戻った。樹と慎太郎の声だ。
イベントがなくなっていることから献血の協力者を得られないことが原因し、輸血用の血液が不足しているらしい。
影響が出たのは俺も例外ではなく、重症患者さんから優先して輸血が行われるため、日程調整が行われることになっている。
俺は、こいつらがいるから頑張れるし、絶対大丈夫。
ドラマがクランクアップして仕事も比較的落ち着いているし。
だけど、どうか、早く。
エンターテインメントを安心して楽しめる時が、訪れますように。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 415人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
H.M. - あーちゃんさん» ありがとうございます。年齢設定がしてあるようで表示されませんでした。【夢の中で】は読めないようなので【Rollin'シリーズ】のほうを楽しみにしていたいと思います。お手数おかけいたしました。 (2020年3月3日 11時) (
レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» 拍子ではなく、表示でした。失礼しました。よろしくお願いします。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» ←「あーちゃん」を開いて頂くと、私の作者ページに飛ぶと思います。そちらで拍子できない場合は、18歳以上の年齢設定をしてないと思われます。申し訳ございませんが、これ以上のお答えは出来かねますので、ご容赦ください。ありがとうございます。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
H.M. - 【夢の中で】をどうすれば読めるでしょうか?よくわからなくて… (2020年3月3日 8時) (レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - y_さん» いつもご愛読、コメントありがとうございます（ ; ; ）またお楽しみいただけるよう頑張ります！ (2020年3月2日 22時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年2月7日 16時
