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side BLACK
駅まで歩いて、構内のベンチに腰掛けた。
何とか抜け出したものの、体がしんどい。
「うわぁっ！…お、っと。すみません。…」
最悪。がたんと揺れた電車内でその拍子に倒れそうになり、ガタイの良い男性に支えられた。
「大丈夫ですか。顔色、悪いですけど」
「っ！？は、はい。あ、ありがとうございます」
その時、電車は最寄り駅について、俺はそそくさと電車を降り、構内を急ぎ足で歩いた。
あの声…いや、違う。多分違う。
「ハァッハァッ、ハァッ…」
走る。
後ろの足音も走っている。
どうしよう。
どこに行けばいいんだろうか、もう知られているんだし、家か？
「っ、はぁっ、」
その迷いはすぐに消えた。
ドサッと、路地裏に引っ張られ、腹部に鈍い痛みを感じた。
「お前のせいで、周りを不幸にしてるんだ。
いい加減迷惑なんだよ」
「…っ、はぁっ……はぁっ、ごめ、なさ…はぁっ」
人間こういう時はもう、訳もわからず謝るんだな。と謎に冷静な自分がいる。
顔を見ても、見覚えはなかった。
だけど、声だけは、電話のものと同じだとすぐに気付いた。
「……っ、やめ、ろっ」
向けられているナイフはあと少しで首元に突き刺さる。
何とか力でその腕を抑えているが、俺のやせ細って熱い体では、もうプルプル震えてだんだんそれも難しくなってきた。
こいつ、目がイッてる。
その瞬間だった。
「しね！」
「っ、？！」
シャッと音を立てて、俺の血が壁をよごした。
間一髪、腕で受け止めたから大事には至らないと思うが、どくんどくん留まることなく溢れる赤いものに、力が抜ける。
「ふはっ、ぶっ刺すつもりだったけど、これはこれでいいわ。
病気持ちのお荷物野郎はこれだけで充分だろ」
ドサッ、と座りこむ。
震える手でいなくなる後ろ姿を写真に収める。
我ながら冷静すぎる。
何度目かのコールで、樹の低い声がした。
「はぁっ、はぁっ、じゅ、り…はぁっ」
『北斗！？ほくと、どうした！？』
“お前なんかいらない。”
朦朧としたまま、ただひたすら訴えたのは、
「はぁっ、お願い、助けて」
それだけ。
頭は働かなくなってきた。
『北斗今、どこだ！？
えっ、どうしたらいい！？…えっとー
そうだ！
北斗！北斗、位置情報！位置情報送って！』
樹じゃない声も混じっているような…
幻聴かな。
『『『北斗！ぜったい助けるから！』』』
みんな、ごめんね。
俺、いらないんだ。
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あーちゃん(プロフ) - しおの磁石さん» コメントありがとうございます！また機会があれば、ですが、その時はまたご愛読いただけたらと思います！今後もよろしくお願いします！ (2019年11月26日 15時) (
レス) id: 3192e0410d (このIDを非表示/違反報告)
しおの磁石(プロフ) - 夢の中で、すごく好きです！もっともっと読みたいなと思いました！更新待っています！応援しています！ (2019年11月26日 12時) (レス) id: 003f63ad03 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 結月さん» ありがとうございます！今回は赤くんだけでしたが、今後は他のメンバーの心情も書けるといいなぁと思います、、機会があれば、の話ですが（笑）今後もよろしくお願いします！ (2019年11月26日 7時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
結月(プロフ) - 夢の中で、すごく好きです！また読んでみたいです。更新頑張ってください応援してます！ (2019年11月26日 0時) (レス) id: c699b36789 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 夏ANAさん» コメントありがとうございます！ほくちゃん呼びをあんなにナチュラルにできるのは彼だけです（笑）応援嬉しいです！また覗きに来てください！ (2019年11月25日 23時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2019年11月8日 10時
