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Side BLACK
暫く寝ていると輸血が終わっていて、体が随分楽になる。それでも。
「……こんなの無理…」
京本はYouTubeの撮影に行ってしまって、帰ってこないまま黒田先生と2人きり。
下剤を渡される。
ただでさえしんどくて起き上がるのも億劫なのに、トイレにたくさん行かなきゃならないし。
「明日、外来が始まる前の時間を利用して、診てもらえるようになったから。
これを飲み終わる頃にはPCRの検査結果もメールで通知が来る」
「……そ、…」
恐る恐るコップのそれを飲む。
「うえー、まっず!!なにこれ、なんでこんなまずいの?」
「カメラ回ってないからそんなリアクションしなくていいよ」
「なっ、これがリアルの反応なの!!」
ははは、と笑う先生を若干睨み付けながらもう一口。
このコップ一杯を10分ぐらいで飲むペースが良いらしい……まぁ全部で2000mlね………
「これ作った人ほんとに2000ml飲ませるつもりあるの??不味すぎる」
「文句言わない。熱上がるよ。せっかく解熱剤効いたと思ったらすぐ調子乗るんだから」
「……熱はほらストレス性のやつだからすぐ下がるもん…解熱剤関係無い」
「ストレスだって分かってるなら何で早く対策しないかな?この時期なのに」
「この時期だからじゃん!……」
思ったよりも大きな声が出て、グビグビっと不味い下剤を飲みこむ。
「皆に会えないし、…
こっちでの仕事も現場の人ともなるべく接触しないようにしてくれてるし、それでなくても大御所の方々が多くて俺はまだまだで、……
ライブだって、やれるかどうかギリギリまで分からない状況が続いて、……はぁっ、」
「……つまり、寂しいんだってさ」
その声に顔を上げると、くすくす笑う京本がスマホで自撮りしていた。
『北斗、寂しかったのか〜』
『あはは!ほくちゅぁあん!こっちだよ〜〜』
『やめろ、変顔すんの、笑』
『きょも、もっと北斗に近付いて〜!』
みんなの声がスマホから聞こえてくる。
「ちょ、いつの間に……てかなにしてんの」
「え?皆とグループ通話だよ」
ズカズカとベッドの上に上がってきて俺の隣に腰掛けた京本の右手にはみんなの顔が写っていた。
「あっはは!!そういうこと?」
やっと状況を理解した頃には、思いの外上ずった声が出た。
スマホの小さな中にいる大男たちは滑稽だ。
「じゃあ、下剤、飲ませといてね」
「お任せください、笑」
黒田先生は部屋を出ていって、京本は苦笑いしている。
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あーちゃん(プロフ) - マイラさん» コメント、ご愛読ありがとうございます🥰私にとっても大好きな作品なので、たまには更新できるように頑張りますね✨ありがとうございます! (2022年8月21日 11時) (レス) id: b62bd82bc0 (このIDを非表示/違反報告)
マイラ - Rollin'シリーズ大好きなのでたまに更新された通知がくると嬉しいです!!これからも楽しみにしてます。頑張ってください (2022年8月21日 0時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 佑妃奈さん» ご愛読ありがとうございました😳コメントとても嬉しいです💌はい!またフラッと更新しますので(笑)お付き合いよろしくお願いします✨ (2022年4月16日 15時) (レス) id: b3f31bb09f (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます😊気づくのが遅くなってしまいました(ó﹏ò。)💦💦また更新される時を楽しみにしてます!! (2022年4月16日 13時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - サンリオさん» コメントありがとうございます!またふらっと更新すると思いますので、今後も応援よろしくお願いします(^^) (2020年9月17日 8時) (レス) id: d58af8230a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーちゃん | 作成日時:2020年6月18日 0時