Rollin'【番外編10】

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Side BLACK


「明日は、…YouTube、休みましょう。
…あ、おはようございます……」


「……一人にして」


「明後日、早いですが7時に。」


「……ん。」



病院に連れて行かれて、貧血だと言われた。
他に症状は無いかと聞かれたが、働かない頭で「すぐ仕事できる体にしてください。」と答えた気がする。

知らない先生だったな。
ネットに変なこと書かれたらどうしよう。
“ 松村北斗、治療中の態度悪い ”とか。


現実はホテルに戻る間の記憶もなければ、
明日のリモートYouTubeだって参加できる自信がない。
久し振りに穴を開けてしまう。


それがどれだけメンバーやファンの方々を心配させてしまうことか、

…だからって明日無理して朝ドラに影響したら、朝ドラの撮影を休んだら、俳優としてのこの期待にも答えられない。



だぁくん、困らせたな。
だけど、今は一人になりたかった。




＿＿＿＿ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ


「うぅ、……てぇ、……」



スマホが鳴って、体を起こして、やっと腹痛の存在を思い出した。

あの赤は…まさかと思うけど、血、だったろうか。



「もしもし、…」

『あー、俺。樹だけど。』

「……知ってるよ、登録してるし」

『……』

「……なんか言ってよ。電話したのそっちだろ」



『うん、…』

「……なんかあったの」

『何かあったのお前だろ！
……倒れたって聞いて声聞きたくなったんだよ』


情けない声を出す樹に、声を出して笑う。
笑うなよ、と言われたけれど、それが笑えた。


『SixTONESの仕事まとめ撮りしちゃってるし、
今あるのバラエティ収録かラジオくらいだろ？
俺でも寂しいのに、お前もっと寂しいんじゃね、？』

「……でも楽しくやってるよ。すごく」

『…そうか。だからって無茶すんなよ』

「別にしてないよ…」

『してなかったら倒れねぇし明日も休まねぇだろ。
とにかく今はゆっくり休んで、しんどかったら明日もだぁくんに＿＿＿＿「はいはい、分かった」


樹の言葉を遮り俺は電話を切る。

素直じゃないのは認めるけど、そんなに心配してもらわなくても、今は点滴してもらってめっちゃ楽だし。



………なんて、この腹痛はそんな甘いもんじゃなかった。




to be continued…

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