未来の君 〈場地圭介〉 ページ3
圭介君が死んで今日で10年が経った。
10年前 、血のハロウィンと呼ばれる抗争を最後に、
私の元から最愛の人が居なくなってしまった。
武「Aちゃん、俺ぜってぇ場地君を助けるから！！！」
「もう待てないよ......... たけみっち....。」
私の心は、あの日から真っ黒に染まってしまったままだった。
「圭介く、んｯ……会いたいよ、。」
朝起きて、一通り泣き止んだ後は重い足取りで職場へと向かう。
そんな日々の繰り返し
千「Aさん。今日で10年ッスね……」
虎「はえーな。まだひょこって現れてきそうだもんな。」
「……うん。」
やっぱりこの日の空気は重かった。
圭介君と千冬が中学の時に叶えたかった夢。
本当は2人の楽しそうな笑い声が響く、そんなペットショップになるはずだったのに。
翌日
「おはよう〜」
千「Aさん、はざっす！」
虎「おはyっておいｯなんだよコレ！！」
騒ぐ一虎の足元には大量のドッグフードがぶちまけられていた。
すると
??「あははっわりーわりー！！」
暖かくて懐かしい声___________
私が大好きだった声が 脳内に響き渡った
下ろしていた視線をゆっくり上にやる。
「え……けい、すけ、君……？」
その瞬間、身に覚えのない映像が頭の中を駆け巡った
と同時に、たけみっちの顔が頭をよぎった
あ、過去が変わったんだ ____________
涙がスッと頬を伝っていくのが分かった
場「ちょっ何泣いてんだよ！しかも圭介くんなんて久々に聞いたなァ」
可愛らしい八重歯を覗かせて笑う彼。
「やっと……会えた……ｯ」
「圭介くん、！圭介くんｯ！大好きだよｯ、!! 今も昔も変わらず、ずっとずっと……、ッ」
場「なんだよ急に笑 圭介君じゃなくて圭介。だろぉ？」
少し戸惑いながら
優しく頭を撫でてくれる。
大好きだったあの大きな手。
懐かしい感触。
「圭介……ｯ愛してる、」
場「ん、俺も愛してるよ？」
照れくさそうに笑って頭を搔く彼
千「もー場地さん何してんすかーっ！！」
場「おー忘れてたわりぃわりぃ笑」
「んふふ」
虎「テメェらイチャついてねーでさっさと片付けろや！」
「うるさい 場「うるせぇ」一虎！！」
大切な仲間と愛する人の
笑い声が響き渡る、
ずっとずっと、夢に見ていた景色が
目の前に広がった。
嗚呼、
ありがとう、たけみっち____________
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作成日時：2021年10月3日 9時
