11-2 ページ3
長年、神社の片隅にいた私は、審神者様の元へと届けられた。主の持つ特殊な力により、私の霊力が引き上げられ、私は付喪神として顕現したのだ。
いきなり人の身を得ることになり、驚くがそれよりも目の前にいる人物たちに名乗りを上げねば無礼だろうと私は口を開く。
『私の名前は御前刀A。無銘だが三条派の流れをくむ。よろしく頼…』
長谷部「なるほど、三条か」
名乗りを遮るように目の前にいる真面目そうな人物が三条という言葉に反応して、一つ頷き、私の肩にポンと手をのせた。
長谷部「ならば同郷たちの面倒は頼んだぞ」
『え』
私はしばし硬直した。
目の前の人物の顔が清々しいほどの笑顔になったことに胡散臭さを覚えたことと、同郷たちの世話という意味が理解できなかったためだ。
長谷部「主よ、後はこの長谷部にお任せください。この本丸内を案内してまいりましょう」
目の前にいた、私を顕現した人物はその長谷部と名乗った男の言葉に頷くと部屋を出ていった。
長谷部「主は忙しい方だ。新入りに直接手ほどきをしている時間がないほどにな。変わりに俺がこの本丸内を案内し、その合間に俺たちの役割についても説明する。…名乗るのが遅れたな、俺はへし切長谷部という」
『…へし切、長谷部？』
長谷部「長谷部と呼ぶように」
変な名前だと思ったことを察したのか長谷部の皺が増えた。
生真面目で怒らせると厄介そうだなあ。
平和主義の私は長谷部と呼ぶことにした。
本丸内を案内してもらいながら、ここでの付喪神たちの役割についても説明してもらう。
歌仙「ん？長谷部、その子は誰だい？」
廊下の向かい側からどこか風流な雰囲気のある男が歩いて来た。
長谷部「新入りの御前刀Aだ。本丸内を案内している」
『よろしく頼む』
歌仙「ほう、これはまた雅で可愛らしい子が来たものだ。その瞳、桜を連想させるようで実に風流な趣がある。長谷部、この子はどこの流派かな？僕の目利きではかなり雅なところだと思うのだけどね」
長谷部「三条だそうだ」
歌仙「やっぱりそうか。三日月宗近と同じ出なら納得だね。鶴丸国永も五条とはいえ三条の流れを汲むのだったね？彼も容姿だけは実に雅だからなあ」
歌仙兼定と名乗った男は、私のこと「実に雅だ」と言って機嫌良さげに去って言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 283人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
男爵いも - 月輝さん» 体重増加には原因があります…なので減りません。原因は鶴丸ルートが進めば明かされます。原因の原因はいつか明かします。 (2017年4月9日 23時) (
レス) id: 0b96eccedf (このIDを非表示/違反報告)
月輝(プロフ) - 手入れしても体重って減らないんですかね？ (2017年4月9日 0時) (レス) id: d9acc59419 (このIDを非表示/違反報告)
男爵いも(プロフ) - 少年漫画では良い奴ほど死んでいくのです( ；∀；) (2017年4月6日 22時) (レス) id: 0b96eccedf (このIDを非表示/違反報告)
月輝(プロフ) - 御手杵！？(’ω’)ﾌｧｯ!!? (2017年4月5日 19時) (レス) id: d9acc59419 (このIDを非表示/違反報告)
男爵いも - 黒蛇さん» 正体は無駄にイケボな残念系イケメンこと亀甲さんでした！大正解です！コメディにはとっても有難い存在ですね 笑 (2017年4月1日 12時) (レス) id: 0b96eccedf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：男爵いも | 作成日時：2017年3月21日 12時
