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『まったく、どこほっつき歩いるのだ鶴丸は』
とたたた、と廊下を軽くかけて鶴丸を探す。
鶴丸国永。三条派の流れをくむ五条派の国永が作った太刀。細身で美しいが、その実、中身はただのビックリ爺である。
私も三条派の流れをくむ刀だが、私の父は三条の祖である宗近の弟子の弟子のそのまた弟子が作った刀で面識はない。他の三条の刀たちとの面識さえないのだ。
だというのに、同じ三条派という理由だけで顕現して10秒で世話係認定されてしまった。そしてこうして私は三条と五条の連中の尻拭いを任されているわけである。
解せぬ。
しかし私も世話係認定されてから三ヶ月経つ。おかげて鶴丸の行きそうな場所も大体わかるのだ。
私は、とある部屋の前で立ち止まった。
『失礼する』
一言声をかけるやいなや、すぐに襖をあける。
礼儀がなってないとは思うが、返事を待つ合間に時々逃げられるので致し方ない。
？「げ！もう見つかったか！」
私の予想は正しかったのか、開けるとすぐに真っ白な存在が目についた。
鶴丸「あー、もう見つかっちまうとはなー」
こりゃ、やられたぜ。と頭を掻くビックリ野郎こと鶴丸国永は言葉とは裏腹に全く焦っていないように見える。
鶴丸「Aも最初と比べて成長したもんだ」
『ああ、おかげで索敵が異様に上手くなった気がするな。ほら、さっさとズボンを返せ』
鶴丸「ははは、なら俺は師匠として相当優秀ってことだな！」
『師匠は師匠でも、反面教師の方だろう。ほら、ズボンを返せ』
鶴丸「まあ待て待て。あのスカート、よくできてたろ？」
『そうだな、異様に上手かった。裾のフリルは傑作だった。ズボン返せ』
鶴丸「だろ？俺の力作だ」
『そうか。その労力を他に発揮すればいいのにな。そして、ズボン返せ』
鶴丸「驚きのためなら労力は惜しまず、だぜ？一晩かけてリメイクした甲斐も、槍たちの反応みりゃあったってもんだ」
『相変わらず無駄に器用だな…って、おい、おまえ今何て言った？』
鶴丸「驚きのためなら労力は惜しまず」
『その後！』
鶴丸「一晩かけてリメイクした甲斐も、槍たちの反応みりゃあったってもんだ」
『…リメイク?』
私は現代語にはまだ疎いところがあるが…。たしかリメイクとは服を別の服へと繕い直すことではなかったか？
そういえば、あのスカート、やたら槍たちの戦闘服の色に似ていたような…。
鶴丸がニヤリと笑う。
鶴丸「驚いたか？」
『アホかああああ！』
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男爵(プロフ) - 泉姫さん、黒狐さん、ご指摘ありがとうございます。指摘されたところを直しました。 (2017年3月30日 20時) (
レス) id: 5e929154b2 (このIDを非表示/違反報告)
黒狐 - 小狐丸の「小」が「子」に、なってますよ！ (2017年3月25日 10時) (レス) id: e5ffc2e16a (このIDを非表示/違反報告)
泉姫(プロフ) - 誤字多いですよ。担当じゃなくて短刀 (2017年3月22日 12時) (レス) id: 97d6e4c6a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：男爵いも | 作成日時：2016年4月20日 11時
