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「女神様！あなたは女神様だ！」
「あぁ…女神様…」
「あ、いや、私の名前は岸本…」
「人間のフリをする必要はありません！私達にはわかっております！」
「えっ…」
その日から私は女神になった。
「マジで…どうなってんの…」
ここが私の世界ではない事は確かだ。
村長達の会話に聞き耳を立てたが聞き慣れないワードばかり。
偉大なる航路とか新世界とかニューマリンフォードとか。
理解できたのは２つだけ。
私がいる島の名前。
そしてこの世界には多くの海賊が存在すると言う事。
「帰りたい…」
案内された屋敷の空き部屋は無駄に広くて落ち着かない。
話を聞いて欲しいのに「私と話すと女神様が汚れます」と言われる始末。
必要最低限の会話しかしてくれない。
必要最低限の時しか部屋に来てくれない。
ただでさえ心細いのに私を更に追い詰める出来事が起こる。
ある日、この島の近海に海賊が現れた。
幸い海賊は島を素通りしたが村長達は危険を感じた。
女神である私を奪われるんじゃないかと。
たまたま海賊が島の近くを通っただけ。
しかしそれがきっかけとなり、私の部屋は施錠された。
外側からじゃないと解錠できない仕組み。
それは即ち外部からの侵入を拒むだけでなく私の逃亡も許さないと言う事だ。
島は活気に溢れている。
村長や島民達の笑い声が聞こえてくる。
誰か気付いて…
皆が笑っている陰で…
私は泣いてる…
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作者名：トモ | 作成日時：2023年1月27日 16時
