被験体036の多難な学校生活

MISSION ： 4 ページ5

『A、大丈夫だったか？」

『ぅん...楽勝だったよ、つまんなかった…』


後半ずっと眠っていたが、それは黙っておく。
言ったら、怒られちゃうもん。
何されるのか分かんないし。


「そうか、さぁ家に帰るぞ、帰ったらお勉強だ」


お勉強。
それは、名ばかりで実際はひたすら情報をつめこむ作業。
何か脳に直接電気信号で情報を送るらしい。

僕的にはぶわぁ〜って映像が50倍速で流れてくる感じ。
めちゃゃちゃ頭が痛くなっちゃうから僕はきらい。



小さいときからあそこにいて、

父も母もいなくて、

送られた情報には、知らない家族だっていた。


いいなあって思ったけど僕の周りには誰もいなかった。

ママもパパも、お兄ちゃんも、お姉ちゃんも。
妹も弟も。友達だって。

家族って、大切な人って何なんだろう。



ここには他の子もいたけど、

その子たちは時間をかけて1人ずついなくなった。


僕は36番。
いつも被験体036って呼ばれる。


僕より前の番号の子はもう一人もいない。


僕はかしこいからね。
かしこく楽に生きていく。


今更環境をにくんでも変わらないんだから。


僕の命は。
僕の体は。



もう、手遅れだ




でも、それでいい


僕は人形(マリオネット)




マスターの為に踊り続ける。

願ってもいいのなら＿＿＿＿＿＿＿＿



















誰かぼくをたすけて?

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