93話 発作 ページ46
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『…すみません、リナさん。ちょーっとハクと口論しまして……』
ヨ「…全部聞いてたわ」
『一回ギャフンと言わせたいものですね』
あの憎らしい顔を思い浮かべて顔をしかめる
一回、後ろから切り付けてみようかな
……殺気を向けた瞬間、殺されるか
想像しただけで、怖くなった
ヨ「その服、エースに似合いそうね」
姫様が、私の手元を見る
ハクのお下がりの赤い服
『…そうでしょう?』
凄く誇らしかった
ヨ「髪紐と同じ色で、素敵」
『あぁ、これはスウォンに貰っ………』
姫様の顔が恐怖に染まった
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……私は、
この髪紐を一度も解いてない
スウォンの影に、取りつかれてるのは
私もだった
スウォンが触れた髪がたちまち、汚れたように感じた
それなのに、解くことが出来ない
今さら、スウォンへの恐怖が襲いかかった
……スウォンの考えがどうしても読めない
何を望み、恨んでいるのか
スウォンが即位して、姫様は、ハクはどうなるのか
もう、話すことも出来ない人
隣でうずくまる姫様の肩を抱いて、恐怖を押し殺した
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テヨ「リナ!エース!」
ヨ「え、」
心配そうに顔を覗くテヨン
…周りに心配かけてどうする
シャンと背を伸ばし、姫様の肩を離した
テヨ「どーした?お腹すいた?ご飯だぞ。
あ、エースの分もあるぞ」
美味しそうな匂いに鳴りそうになった腹に力をいれて、音を抑える
ヨ「でも、水が不足してるのきに私ばかり……」
『…私、お腹減ってないから大丈夫』
テヨ「大丈夫!リナを太らせてこいってハク兄ちゃんが
エースは怪我治したきゃ食えって」
おお………神様かな………
テヨ「それにーお客様にはたんまりおもてなしして銭もらうのが風の流儀…………」
違う、やっぱり悪魔だ
そんなことを思った瞬間、テヨンの身体が揺れた
『っ!?』
急過ぎて、頭を受け止めるのが精一杯だった
ヨ「テヨンっ!?」
『!?』
呼吸数が、少ない
胸をおさえて倒れてると言うことは……
肺か、心臓か
どちらにしても治療法を知らない
ハ「どうした!?」
ヨ「テヨンが急に倒れて………」
ム「発作じゃ………」
『発、作……?』
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fruit - ハクのハが八「はち」になってますよ。 (2021年8月11日 0時) (レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
コロコロオムレツ - そう、思って頂けて本当に嬉しいです!!ありがとうございます! (2020年5月6日 17時) (レス) id: b67c3bf95a (このIDを非表示/違反報告)
ハニ(プロフ) - 毎日更新を楽しみに待ってます!!夢主とハクの絡みが面白くて、気付いたらニヤニヤしながら読んでます笑 (2020年5月6日 16時) (レス) id: 8ecca9012c (このIDを非表示/違反報告)
コロコロオムレツ - ありがとうございます! (2020年5月3日 10時) (レス) id: b67c3bf95a (このIDを非表示/違反報告)
アイ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます! (2020年5月3日 3時) (レス) id: 2782a43946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コロコロオムレツ | 作成日時:2020年2月23日 11時