朱龍の血を引く少女は「高華の獅子」2

49話 嫌い？ ページ1

ハクsaid



「エース…？エース……！」




どんなに揺すっても漆黒の瞳はそのままだ




触れた体は酷く冷たく、まるで死んでいるかのようで…




テ「…っなんなのだ！この女は！」




こいつが騒ぐのも無理ない




家臣は全員虚ろな目でじっと彼方を見つめてる




「エース…目…覚ませよ……」




このまま、エースが死んだらどうしよう




ダメだ、俺にはこいつが居ないとダメなんだ




背中を預けられるのも、守ってやりたいと思えるのもこいつだけだ




何よりも大切な仲間だ




……嫌




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「……好きなんだ…」




自分の口からこぼれた言葉を信じられなかった




こいつを…好き？




白く、きめ細かい頬に手を伸ばした




まさか…




俺は……






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パチッと開いた茶の瞳





すぐ目の前には俺の顔





背に回された手





あ、まずい





エースはサーッと赤くなり、俺は冷や汗が流れた





『ギャァァァァ!！!！!！なんだこのドヘンタイ!！!！!！』




「チゲェ!！誤解だ！！！話せば長く……」





『知るかこのアホ男!！!！!！』





サッと振り上げた手




あ、と思った時には既に遅し





バチーンと鈍い音が廊下一杯に広がった


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