96話 水 ページ49
ハクsaid
ハ「これは…」
テ「あ、ハク様」
轟々と熱せられる鉄鍋
そのなかで沸き立つ大量の水
テ「まだまだありますよ。最初に持ってきた水はもう医務室に持ってきました」
ハ「なんだ?泉でも見つけたのか?」
テ「い−え、なんなら彼処で怒られてるエースに聞いてください」
ジジイの前で、正座させられ、怒られているエースを指差し、テウが笑う
……この量なら怪我人とテヨンに十分な水をわけられる
ハ「エース、どうやって「ハク!お前は今の状況がわからんのか!」……お前なにやった」
『……小刀隠し持ってた………』
ム「絶対安静だというのにお前と言う奴は!!お前のような弟子は破門じゃ!」
『そ、それだけは勘弁を………』
ム「ならん!しばらく反省しておれ!」
ジジイが怒りながらその場を去り、エースがシクシクと泣き真似をする
『破門だって……ここは潔く切腹して詫びるべきかな』
ム「いきなり、怖い事を考えるな。……………で、どうやって水を確保したんだ?」
小刀、力のある人間、テウ…………
こいつまさか、火の部族相手に………
.
『あぁ、竹を割ったの』
ハ「竹?」
予想外の言葉に声が裏返った
『なに、その顔』
ハ「いや、お前の事だから火の部族相手に喧嘩の一つや二つ吹っ掛けたかな………と」
『そこまで私は馬鹿じゃない』
わざとらしくため息をつくこいつに殺意が芽生えた
『竹は節の間に水分を溜め込むから、切ればかなりの量の水が出てくる。それを汲んで、沸かして、殺菌すれば飲料水の出来上がり−』
確かに竹藪はあったはず
だが、川にかなり近かったはずだ
全員無傷って事は………
ハ「お前、右腕見せてみろ」
『やだ、ハクのスケベ』
ハ「殺すぞ」
『そしたら呪い殺すわ』
『「…………………』」
.
テ「ハク様……仮にも18の大男が、年下の女の子に掴みかかっちゃだめでしょ」
ハ「掴みかかったのは彼奴が先だ」
テ「子供みたいな言い訳しない」
ハ「いてっ」
エースの拳の跡がハッキリと残る頬にテウが薬を貼る
テ「凄かったんですよ彼女。小刀なのに一発で竹切っちゃって。火の部族に気がつかれる前にって、両刀で切ってました。流石は高華の獅子」
……ありがとうくらい言っとくべきか
素直に慣れないのが少し悔しかった
.
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fruit - ハクのハが八「はち」になってますよ。 (2021年8月11日 0時) (レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
コロコロオムレツ - そう、思って頂けて本当に嬉しいです!!ありがとうございます! (2020年5月6日 17時) (レス) id: b67c3bf95a (このIDを非表示/違反報告)
ハニ(プロフ) - 毎日更新を楽しみに待ってます!!夢主とハクの絡みが面白くて、気付いたらニヤニヤしながら読んでます笑 (2020年5月6日 16時) (レス) id: 8ecca9012c (このIDを非表示/違反報告)
コロコロオムレツ - ありがとうございます! (2020年5月3日 10時) (レス) id: b67c3bf95a (このIDを非表示/違反報告)
アイ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます! (2020年5月3日 3時) (レス) id: 2782a43946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コロコロオムレツ | 作成日時:2020年2月23日 11時