第二王子にとって2 ページ45
使用人を拘束して俺の前に出して「レオナ・キングスカラー、貴方が決めなさい。」と草食動物は言った。
俺はハッとする。草食動物がいつもの澄んだ顔になっている。
「貴方の問題です。屈辱の分を味あわせてやりましょうか？」
後日、使用人達の顔には油性ペンで『私は最低な獣人です。』や『私は人を見下すヤツです』など書かれた。
おまけに魔法で消えにくくさせられた。
謝るから魔法を消してほしいと使用人達は頼むが、草食動物は無視して俺の腕を引っ張って行った。
「心は一度深く抉ると癒えないもの。万が一に塞がっても一生残る。彼らは心を深く傷つけた。くだらない己の先入観で。」
天気は晴れて緑が生い茂る景色を窓に草食動物は立ち止まる。
辺りは俺と草食動物しかいない太陽が照明灯代わりの廊下で空気が洞窟のようになる。
草食動物は振り返って勢いよく俺の首に腕を回して引っ張る。顔が見えなくなった代わりに嗅いだことが無い知らない匂いが広がる。
「よく今まで言葉の暴力に堪えた。」
体の中の気持ち悪いものが取り除かれたようだ。
じわじわと霞む視界の中で腕の中の温もりを感じた。
何もかもが報われた。今までやってきたことが成せれた。
無駄じゃない。
今、この瞬間が何よりも心地よく感じた。
潮と古い本の匂いがする。
悪くねぇな。
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柳玲霊鑑(プロフ) - 指摘有難うございます。しかし、此処だけの話…其れは伏線です。(о´∀`о) (2022年7月27日 22時) (
レス) id: e9bdb0e98f (このIDを非表示/違反報告)
琥雪 - 19話の主人公が、ジェイドを呼ぶとき、ジェットになってますよ (2022年7月27日 15時) (レス) @page20 id: 7cb0ef4db8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柳玲霊鑑 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/be moon
作成日時：2022年4月3日 22時
