第二王子にとって ページ44
俺の腕を引っ張るソイツは常にこの国を見ていた。
スッキリしないから構う、つまらないから干渉する。
我儘でしつこいソイツは「ファレナ・キングスカラーが王位継承権第一位ですか。よし、レオナ・キングスカラーを王位継承権第一位にしましょう。」と言った。
使用人達の前で堂々と言うコイツはバカなのか？
当然だが使用人達は反対した。
レオナ・キングスカラーは優秀で意欲的。
ファレナ・キングスカラーはそうではない。
そんな事を草食動物は言うが、断固として使用人達は認め無かった。草食動物の一言が出るまでは。
「長男で能無しで王様が国が滅ぶのと、次男で優秀で王様で国が栄えるのとどちらが良いですか？」
返らなくなったのを答えられないと判断した草食動物は「国が滅んだら元も子もないですよね。」と何処までも深く澄んだ瞳を俺に向ける。
「でも、レオナ・キングスカラーもダメです。」
先とは正反対の言葉で戸惑いで固まる使用人達と俺。
「確かにファレナ・キングスカラーは能天気で賢くないですが、強い意志と力とカリスマ性があります。」
この夕焼けの草原に無い事、何も無い砂原に突然緑一面が広がったようにソイツは言った。
「御兄弟で足りない所を補い合えば良いです。実践を兄が、理論を弟が。」
ゆっくりと使用人達に近づき、そして…
パァン
左頬を強く叩いた。
俺は強くなった戸惑いと驚きで目を丸くする。
「レオナ・キングスカラーはファレナ・キングスカラーとは違う、知らない事を積極的に学んでいる。それなのにも関わらず貴方達はそれを見ずに認めず、幼くして出来た立派な魔法使いを
顔を覗くと草食動物は眉間にシワが寄っていた。
この時、初めて感情を持ったヤツなんだと理解する。
「レオナ・キングスカラー、殴って良いです。」
使用人達は一瞬顔を青ざめるが額に青筋を立てる。
暴力を肯定したからだ。
使用人達は「やって良い筈がない、罰が出る。」と言う。
草食動物は「暴力を振るった貴方達が言うことですか？」と変わらず感情とは正反対に沈んだ口調だ。
「言葉の暴力をよく振るわれて、頑張っているのに優秀なのに認められないでいる。どんな気持ちになると思います？怒りを覚えて
やった相手にも同じ苦しみを味あわせてやりたくなるんです。」
使用人達は真っ赤になった顔を急速に鉄が冷えたように真っ青になる。
「罰があるなら、殴っても良いですよね？」
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柳玲霊鑑(プロフ) - 指摘有難うございます。しかし、此処だけの話…其れは伏線です。(о´∀`о) (2022年7月27日 22時) (
レス) id: e9bdb0e98f (このIDを非表示/違反報告)
琥雪 - 19話の主人公が、ジェイドを呼ぶとき、ジェットになってますよ (2022年7月27日 15時) (レス) @page20 id: 7cb0ef4db8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柳玲霊鑑 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/be moon
作成日時：2022年4月3日 22時
