8話 ページ8
何だかんだで、もうこの船に乗って丸っと2週間だ。
もうここでの生活もちょっと慣れてきたかも。
「お腹すいたな…」
サッチになんか作ってもらおうかな。
キッチンに入るとどうやら先客がいたようだ。
「あれ、ハルタにイゾウ？」
ハルタ「おっ、末っ子ちゃんが来た」
末っ子ちゃんって…もっ他に呼び方あるでしょうよ
イゾウ「お嬢どうした？腹減ったのか？」
「うん、今日朝ごはん食べそびれたから」
ハルタ「朝ごはん無くなったって聞いた時の顔すごかったもんな」
そう言って、ハルタは隣の席に座らせようとこっちこっちと手招きをした。
「だって楽しみにしてたんだもん」
サッチ「くぅぅぅ〜ッ！そんな風に言ってくれるのはお前だけだよぉ〜！」
と嬉しそうに、サンドイッチを差し出してくれた。
「ありがとう、サッチのご飯どれも美味しいから好きだよ｣
サッチ「俺今…告られた」
イゾウ「飯のことだろうがよ」
サッチ「そうそうA」
「ん？なに？」
サッチ「食べ終わったらこれを、マルコのところへ届けてやってくれねぇか？」
それは、皿に盛られたサンドイッチだった。
サッチ「あいつ、今書類整理とかで忙しいからなかなか食堂に来て飯食う時間がねぇんだ」
そうか、マルコ一番隊隊長だから忙しいのも無理もないか。
しっかし、海賊の隊長って忙しいんだな…書類整理？
海賊に書類整理の仕事なんかあるんだ…。
「分かった、届けるよ」
サッチ「おう！サンキューな！」
「ハルタやイゾウは書類整理とかしないの？」
イゾウ「するが、まあ俺達の分の書類もマルコが最終的に全部確認するんだよ｣
「ひぇぇ〜…大変…」
マルコの睡眠時間ってどれくらいなの？
フッと思ってしまった。
残りのサンドイッチを頬張り、マルコの分のサンドイッチの皿を手に取りマルコの部屋へと向かった。
――コンコン
「マルコ〜」
マルコ「入れよい」
部屋の中に入ると、そこには大量の書類の山がデスクの上に乗っけられていた。
メガネかけてる…。
マルコ「どうしたんだよい」
「えっ、あ…いや、サッチがマルコの分のサンドイッチだって」
手に持っている皿を差し出すと、ああ、ありがとよいとサンドイッチの皿を受け取り、デスクの上に置いた。
「食べないの？」
マルコ「まだ書類整理が終わってないんだよい」
「でも、食べないと倒れちゃうよ？」
マルコ「俺は大丈夫だよい、後でちゃんと食べるから心配すんなよい｣
そう言って再び目線を書類に向けた。
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作者名：鈴麗 | 作成日時：2022年8月24日 22時
