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河井『な〜A』
『………』
河井『なんで無視すんねん、
俺なんかしたか？』
『………』
さっきの昼休みに話したから、
何となくどこかでアヤカちゃんが
私の事を見張っているような気がしてしまう。
もちろん、ゆずるは知らないだろうけど。
何となく渡り廊下に目をやると
ヒカリちゃんと横並びに歩く
アヤカちゃんを見つけた。
でも2人は
こちらに気づいている様子はなく、
そのまま見えなくなった。
つまり、今なら話しても2人にバレない。
『あのさ……』
河井『お？うん、やっと喋ったな。』
『ヒカリちゃんと付き合ってるんでしょ？』
河井『……うん…』
初めて見たゆずるの表情と
その意味深な反応は、
ヒカリちゃんへの気持ちがない事を示していた。
河井『…何か言われたんか？』
『……』
河井『ほんまは俺…』
『ダメだよっ……彼女悲しませちゃ』
思わずゆずるの言葉を遮った。
ゆずるが言おうとした言葉は
きっと、私が1番欲しかった言葉。
でも、それは
ヒカリちゃんと付き合ってなければの話。
今から2人が別れたとしても
アヤカちゃんが良く思わない事は確実だし
何をするか想像がつかない。
私だけならまだしも、この人には
迷惑なんか絶対に少しもかけたくない。
だから私は
ゆずるに迷惑をかけないために、
ゆずるが私のせいで悲しい思いをする前に、
そうなる前に、また“保険”をかけた。
そして私は、
その“保険”を理由にして
自分の気持ちから逃げた。
気持ちがないとは言えど
彼女の交友関係を少なからず知っているのか、
ゆずるはハッと察したような表情を見せて
それ以上は何も言わなかった。
そして私は、何も言わず掃除を再開した。
一言も話さず、
真面目に淡々とホウキを動かす。
……いや、前の状態に戻っただけ。
楽しい日常は、楽しかった日常へと変わった。
そして数分後、
掃除時間の終わりを知らせる音がなった。
河井『A…』
今までとは違うその悲しそうな声は
私の胸を締め付けた。
『…ありがとう…………楽しかった。』
1度も伝えたことのなかった素直な言葉に
口には出せないその気持ちを精一杯こめた。
そして背を向けて、
いつもの様に教室へ向かった。
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あいき(プロフ) - ますみさん» ありがとうございます！ベタだけどこんな青春やっぱ憧れます…更新がんばりますっ (2020年6月23日 0時) (
レス) id: 9f082eefe1 (このIDを非表示/違反報告)
ますみ(プロフ) - 幼馴染の話読みました。キュンキュンしたしお互いが素直になれない部分があって良かったし川西さんが中々言い出せない感じそして喧嘩からの結ばれて良かったです。しかも川西さんで。嬉しいです。またの更新楽しみに待ってます。 (2020年6月22日 0時) (レス) id: cc9c552fc9 (このIDを非表示/違反報告)
あいき(プロフ) - ますみさん» 上手いだなんて私にはもったいない言葉…ありがとうございます！頑張ります！ (2020年6月17日 15時) (レス) id: 9f082eefe1 (このIDを非表示/違反報告)
ますみ(プロフ) - ですよね。川西さんのはキュンキュンしますね。作者さんも書くの上手くていつも楽しみにしてます。是非是非また川西さんで書いて下さい。あ、全然作者さんのペースで構わないので次回の更新楽しみに待ってます。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: cc9c552fc9 (このIDを非表示/違反報告)
あいき(プロフ) - ますみさん» ありがとうございます！！川西さんって何やってもキュンキュンですよね……更新頻度をなんとか上げれるように頑張ります！！ (2020年6月16日 18時) (レス) id: 9f082eefe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいき | 作成日時：2020年3月26日 1時
