短編アギシュ(仮) (ページ8)

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三木家 >> ミキ(恋愛要素なし) ページ8

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『あせにぃ〜！こせにぃ〜！』

昂生『A〜！』

亜生『にぃちゃん！A！おった！』

昂生『ほんまやっ！…よかった〜。
はなれたらあかん、て言うてたのに！』

『ごめんなさい…』

昂生『ん、ケガは？』

『ない…』

昂生『それなら3人で手ぇつないで帰ろ！』

『！……うんっ！』

亜生『おー！』

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夕日に照らされた、綺麗な田んぼ道を
3人で手を繋いで帰った幼い頃。

あの時の景色は今でも大切な宝物。

………

あれから何年か経ち、
私は高校生3年生に。

あせ兄とこせ兄は大人になって
なんとコンビを組み、お笑い芸人になった。

たまに家に帰ってくると、
必ず[ある事]が起こる。

ｶﾞﾁｬ…

亜生『A！』

『あ。おかえり、あせ兄』

亜生『なぁ、何してんの？』

『勉強〜。
そろそろテストたがら。』

亜生『息抜きに遊ぼうや！』

……そう。

[ある事]…それは、
あせ兄が｢遊ぼう｣と永遠に駄々をこねる事。

進路を決めなければいけないこの時期。
就職か大学か……など
それぞれが自分の将来を決めなければいけない。

つまり、今回のテストは
かなり重要なテスト。
サボるなんて事は何があってもできない。

今回は、｢駄々こねあせ兄｣には
何がなんでも負けない…

亜生『なぁ〜遊ぼうや〜ええやん〜』

『ダメだよ、テスト近いんだから〜』

亜生『ええやんっ！息抜きで！な？』

『もう〜邪魔しないでって〜』

亜生『だって会う時間とか少なくなって
めっちゃ寂しいねんて〜
なぁ遊ぼ〜A〜』

『ダ〜メ！
今回のテストは大事なテストなの！』

｢ぅう〜……嫌や遊ぶ。｣

と部屋に入ってきて
後ろから、私の肩に手を置いて
ピョンピョン飛び跳ねている。

『もうっ書けないから！ズレる！
せめて後にしよっ！？
次のページで終わるから！』

それでも嫌や〜、と言うあせ兄。

子供か！と叩きたい所ではあるけど
……正直、この時間も少し好きな私。

いや、どうかしてるっていうのは
自分でもちゃんと分かってる。
きっと勉強のしすぎ。という事にしておく。