短編アギシュ(仮) (ページ43)

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君に意地悪したい >> 和牛水田ページ43

水田『なぁて〜』

『…………ん〜…？』

水田『まだ終わらへんの？』

『……あとちょっと』

水田『ちょっとて……それ3もう回目やで？』

『…ん〜

……しょうがないじゃん
今日中に終わらせときたい書類なの』

水田『……はよしてや…』

背中から聞こえてくる寂しそうな声。

今すぐにでも振り返って抱きしめたいけど
それをしてしまったら絶対に終わらない。

今回は本当にあと少しで終わる量だし
早く終わらせよう！あとちょっと！

………………

[数分後]

『ﾌｩ〜…』

終わった。
これでやっとゆっくりできる…

信二……

は、ソファに横になって
私をじっと見ていた。

『……www』

水田『…んやねん……』

『…終わったよ』

水田『遅い』

『もう〜…そんな拗ねないでよ〜』

と信二が横になっているソファーの前に
座り、信二に抱きついた。

すると、｢もう何もない？｣と言いながら
私の背中に腕を回してきた。

『うん、もう全部おわった』

水田『ならええけど』

と目を閉じて、顔を近づけてきた。

水田『っ………？』

私はその顔を両手でガシッと掴んだ。
驚いた表情の信二。

水田『え………な、なに…？』

その顔に少し笑ってしまう。

『……………キス、して欲しい？』

水田『………な、何やねん…』

『…どっち？』

水田『こんなに待たされた上に
ちょっと、しようとしただけで
なんでそんなん言わなあかんねん…』

とまた少し怒った表情を浮かべた。

『……そっか〜
じゃあしょうがないか〜…』

と離れて立とうとすると

『……信二、立てないんだけど。』

信二が私の背中に回した手に力を入れていて
離れられない。