短編アギシュ(仮) (ページ36)

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ｶﾞﾗｶﾞﾗ！

生徒指導室では
賢志郎と生徒指導の先生が話していた。

川西『おい静かに開けろや。
てか何してんねんお前。』

賢志郎の元へ行く

『……なんで田中くん殴ったの』

先生『おい、川西は…』

川西『ええから。俺が喋る。』

『…ねぇ、なんで？』

川西『………別に。
何となくイラついただけ。』

先生『…川西、』

川西『なんや！俺が喋るて言うてるやろ。』

先生『っ…』

『……いつも問題ばっか起こして…
退学になったりしたらどうすんの？

…………私…賢志郎と一緒に……
卒業、したいよ。』

川西『……卒業したいとか、
それはお前の勝手な考えやろ。

これは俺の問題や。
お前が入ってくるような話ちゃうやろ。』

『なに…それ…』

川西『話の途中やから。
邪魔やし、はよ授業いけや。』

ﾊﾞｼｯ……

賢志郎の頬を叩いた音が部屋に響いた。

『……最低…』

川西『…………』

賢志郎は表情ひとつ変えず
そのまま下を向いていた。

ｶﾞﾗｶﾞﾗ！
濱家『A！』

『隆一……』

濱家『お前、最後まで話きけや！
急に走って。びっくりしたわ！』

『え……ご、ごめん…』

濱家『賢ちゃんが田中のこと殴ったのには
ちゃんと理由があんねんて！』

『聞いたよ、｢イラついたから｣って…』

濱家『そんなん嘘に決まってるやろ！

…授業が始まる前、

田中達がふざけて
女子の制服とか勝手に使ってなんか……
｢俺スカート似合う？｣
みたいな事言うて遊んでて。

田中がAの制服もってた時に
たまたま賢ちゃんが教室に入ってきて、

それ見て賢ちゃん怒って…

まぁそりゃ、
自分の彼女の制服とかが違う男に
ベタベタ触られるとか誰でも嫌やし。

俺的には、
殴られて当然の事やと思った、ていうか…

…とにかく、
もともと悪いのは田中達やし
あんまし賢ちゃんの事は責めんといて。』

『…あ……け、賢志郎っ！』

濱家『賢ちゃん！』

賢志郎は部屋から出ていってしまった。

先生『……俺は先生やから
立場上、田中を殴った川西も怒らなあかん。

………でも、もし先生やなかったら
俺は川西が殴った事を褒めるかもしらん。

今の時代…
あんな男気あるヤツ、なかなかおらんで？

……ほんまにお前の事が好きなんやろな。
素直になれてないだけで。

ええ彼氏みつけたな。
大事にしてもらいや？』

『……………』

………賢志郎…

濱家『え、先生俺はどう？良い男？』

先生『お前は知らん』