49◇香水 ページ2
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2人でまったり過ごすと、だいたい有剣にバックハグされている事がほとんど。
「Aちゃん、香水つけてたっけ?」
「…ん?あー、この前にね、買い物行った時、買っちゃった」
「へぇー」
「変?」
「ううん、いい匂い」
そう言って、さらに私の耳の後ろに鼻を寄せた。
「…美味そ」
「…ひゃっ」
不穏な言葉を囁かれて、しかもその吐息が耳にダイレクトに当たり、ゾワッとしてつい声が漏れた。
「Aちゃんって、もしかして耳弱いの…?」
楽しそうな彼の囁く声、しかもわざと低めの声に吐息混ざらせてくる。
「…っちょ…よ、弱くないから…」
つい見栄を張って、そう言ったが、
「ふぅ〜ん?」
顔を離す様子のない有剣に、
「い、今、香水持ってるから、そっちを…」
一旦彼から離れようとするのに、彼の腕は私を離そうとはせず、
「やだ、ここ、嗅ぎたい」
さらに顔を寄せた。
「え"……ぁっ」
「……ふふ、可愛い、Aちゃん」
耳に柔らかい感触、
「や、ちょ、何して…」
「ちゅーしただけ」
「ちゅっ……!?」
「うん、ちゅー」
「だだだだめ!ね!おしまい!」
手で耳を塞ごうと抑えるが、
「はい、ムリー」
手は呆気なく捕まり、腕ごと身体はさらにがっちりホールドされてしまった。
「ねえ、有剣…」
「ねえ、舐めてもいい?」
「な、舐めっ!?い、いいわけ………っん!」
「舐めちゃった」
「ゆ、ゆうけ…」
「こっち向いて」
顔を後ろにいる有剣に向けさせられたかと思うと、彼の顔が近づいてきて、唇が合わさる。
触れるだけだったキス。ほんの2〜3秒の。
離れて見つめ合うと、
「……もっかい…」
さらな啄むようなキスをする。
彼の背中に手をまわそうとしたが、キツく抱き締められており、手が動かせない。
仕方なく彼の胸元の服をぎゅっと握ると、
彼の腕も力が強まったような気がした。
どちらともなく、ゆっくりと離れれば、
お互い思うことは、きっと同じ。
幸せを感じている。
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れーな - 面白くて一気に読んじゃいました!!もし続き書く予定でしたら楽しみにしてます!! (7月17日 20時) (レス) @page13 id: 67618f26d5 (このIDを非表示/違反報告)
natywq(プロフ) - 続き早く読みたいです! (2021年3月18日 4時) (レス) id: 7289fb275c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aggy | 作成日時:2019年11月18日 18時