ハイロー短編集

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隣に座らせてくれた可愛い女の子、

警戒心バリバリだったのに、隣に座らせてくれてからは少しずつ解けて行った気がした。


「そー言えば、俺、雅貴って言うんだ」

「あ、Aです……」

「Aちゃん…可愛いね」


それだけの言葉で頬を赤くする彼女はなんとも初々しく愛らしい。


ついつい、、悪い心に火がついた。

勧めた酒も不用心に2杯も飲むAちゃん

おかげでさっきから、めっちゃ船漕いでる。

そのまま倒れてしまわないように、自分の方引き寄せて、肩にもたれさせる。

「…ん」

自然と身体は密着して、

「もう眠たい？」

俺の言葉もあんまり入っていってないっぽい。


スゲー不用心だな。

まあ、願ったり叶ったりなんだけど。



「……眠…い」

ちょっと聞こえてたみたい。

「じゃあ、出よっか」

彼女を支えたまま、バーテンダーにチェックしてもらい、店から連れ出す。




ふらふらと覚束無い足取りの彼女の肩から手を離して、手を繋ぐ。

「Aちゃん、どうするー？」

冗談めかして、そのように問えば、

泣きそうな顔をして、

「……やだ、置いていかないで」

その声で直ぐに持ってかれた、そんな気がした。

「置いてくわけないじゃん？」

「…ホントに？」

「おいで」

彼女を腕の中に閉じ込めると、俺の胸に擦り寄ってくる。

「……ーーーん」

「ん？」

「1人にしないで…」

そう言われてしまえば、

もう、据え膳食わぬはなんとやら


「行こっか」



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