ハイロー短編集

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「ねええええ、よーくん！！」

「んだよ、うるせえな」

「なんで喧嘩、私も連れてってくんないの？

酷くない？」

「おめえ、危なっかしいからに決まってんだろ」

「えー、やだー、行きたい！」

「だーめー」

「ひどい！！私だって、鬼邪高生なのに！」

「それとこれとは別だろうが」

「……むー」



Aは眉間に皺を寄せて、教室から出ていく


「いいんすか？村山さん。Aちゃんめっちゃ不貞腐れ出ましたけど」

「しょうがねえだろ？」





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「……はぁ」

自分が強くもなく、足でまといになることはわかっている。


ただ、ただ、よーくんの側にいたいなんて思っているだけ。

小さい頃に初恋し、思いを傾けている、

今では鬼邪高校の番長となった彼に。




「……あれぇ、彼女ォ、1人？」

前から3人程の男がいて、たぶん私に話しかけている。

気づけば人通りのない路地

ああいう輩は無視が1番。

そう思い、反応せずに横を通り過ぎようとする、

が、

「ねぇねぇお嬢ーさん？」

行く手を阻んで、腕掴んできた。

「……離して」

「1人？こんな所で危ないよ？」

「……私が1人に見えないのも怖いんですけど」

「「「ははは」」」

「おもしろー、俺らとちょっと"お話"でもしようよ」

「いーえ、お断りします」

掴まれた腕を振りほどこうとするが、

「えー、いいじゃん？」

「俺らいいとこ知ってんだよー？」


どうせ行く末など大方決まっていて、ろくなことない。

「離してください、鬼邪高のみんなに文句言われたくないの！」

だいたいがこう言えば、

私に関わろうなど思わない、はず。

しかし、

「もしかして、この女、村山の妹じゃね？」

「いや、従兄妹です」

「んなもんどっちでもいいんだよ！」

「この前やられた仕返しでもしようぜ」

「え…」

「アイツらに仕返しして、その後、この女にたっぷりお礼してもらおうぜ」

「…っ！っ離して！」

顔から血の気が引いたのが分かった。

抵抗するにも適わず、

「いいから、着いてこい！！」

ずるずると引きずられる。




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