71日目。 ページ44
「そんなわけでこんにちは♦」
「どういうわけなんですか」
ヒソカさんが、何故かここにいた。
いや、この人には恩もあるし雑に扱うわけにはいかないっちゃいかないんだけど、心なしかスマイルがいつもより胡散臭い。
「えっと、それで一体今日はどんなご用件で」
「うん、イルミの大切な人を調べて欲しくてね♦」
「あぁ、キルア君のことですか?」
「……♠いや、そうじゃなくてね♣」
「?」
「イルミにとっての恋愛対象の子がいるかどうかを調べて欲しいんだ♦」
「……?!え、なんで……ま、まさかひヒソカさん、イルミのことをそういう目で……?!」
「違うからね♠」
「え、じゃ、じゃあなんで」
「君は気にならないの?」
「……」
なんというか、本当に微妙な気持ちにさせられる。
気になるといえば気になるけど、ヒソカさんの言い方と笑顔がいつにも増して胡散臭いのだ。
もちろんヒソカさんのことは嫌いじゃないし、微妙に優しいところがあるから、なんとなく気を許してしまっているけれど、その言動が一々カチンとくるというかゾワッとくるというか。
例えるならば、炭酸抜けてめちゃくちゃ不味くなったジュースを、五本くらい一気に飲まされてトイレ行きたくなってきた、とか。
彼と話していると、そんな感じの気分になるのだ。
そんな時に限って個室は全部閉まっていて、どこをノックしても「入ってますよ♣」と必ず返ってきて……。
――無いわ。
そこまで妄想してから私は思った。無いわ。
女子トイレにヒソカさんが居たら大問題だわ。
いや、ちょっとあるかもしれないけど、多分彼はそのタイプの変態ではない。
「……君、今なにか失礼なことを考えなかったかい♣」
「めめめ、滅相もございません」
やばい、恐ろしく勘が鋭いぞこの人。
奇術師に不可能は無いの♦は本当だったのかもしれない。
いや、指紋認証システムに負けてたけど。
そんな私を見た彼はさっと大金を取り出して言った。
「報酬はこれくらいでどう?」
「やります」
金には勝てなかった。
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バナナ - とっても最高でした!!有難うございます!!更新待ってます!! (2022年9月20日 2時) (レス) id: e7b90db1c1 (このIDを非表示/違反報告)
どらやき(プロフ) - 孤歌さん» ありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです……!これからもよろしくお願いします! (2018年7月3日 23時) (レス) id: a2747e3aed (このIDを非表示/違反報告)
どらやき(プロフ) - みーたんさん» コメントありがとうございます!ぜひ続編でもお付き合いいただけると嬉しいです! (2018年7月3日 23時) (レス) id: a2747e3aed (このIDを非表示/違反報告)
孤歌(プロフ) - 初めまして凄く面白いですね!更新待ってます(゜∇^d)!! (2018年7月1日 15時) (レス) id: 5a595ce298 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 一言で言うとやばすぎますね (2018年6月24日 20時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どらやき | 作成日時:2016年1月24日 18時