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57日目。 ページ26

「ねぇ」

「……」

「ちょっと」

「……」

「聞いてる?」

「……」

翌日。仕事に没頭したフリをしながら淡々と無視する私に、視界の端に映るイルミが眉を顰めたのが見える。

いつもなら私が話しかけてイルミが無視なのに、今日はなんだか逆で、それはなんだか新鮮だった。

それにしたってこれに本当に意味があるんだろうか。ヒソカさんの意図が全く読めない。



「あのさあ」

「……」

「返事くらいしてくれる?」

「……」

「はぁ」

「……」

「A」

「……っ?!」

な、なんでこんな時だけ名前で呼ぶんだ……!!
しっかりしろ自分!


「あ、今反応した」

「……っ」

「反応したってことは聞こえてるんだ」

「…………」

「ふうん、なるほど」

「……」

心なしか楽しそうな声になったイルミは、そのまま楽しそうに言う。

「単純だね」

「……」

「その上バカだし」

「ぅ」

「全体的に出来が悪いから救いようがない」

「う、うるさい!……え?」

反射的に上げてしまった私の顔を見たイルミの表情が、ほんの少し柔らかくなったような気がして、思わずそちらの方を凝視してしまう。

「やっと返事した」

「あっ、しまった!」

「はあ?しまった?」

「い、いや何も」

戻ってしまった。確かに今、ほんの少し、優しい顔をしていたような気がしたのに。

「まあいいや、それで、なんで俺を無視したの?」

「……」

「どうせヒソカあたりに何か言われたんだろうけど」

バレてるし

「名前程度で反応するとか、お前も馬鹿だね」

「……滅多に名前で呼ばない癖によく言うよ」

「まあこんなに俺を無視するなんて、君にしては頑張った方、だよね」

「ぐっ」

「さっきも仕事してるフリで誤魔化そうとしたみたいだけど、手元が全く進んでなかったし」

「う、うるさいな、ていうかそこまでわかってたの?!」

「当たり前でしょ」

「じゃあなんで気づいてないフリしてたのさ」

「面白かったからだよ」

「な、はあ?!」

「頑張るなあと思って」

「いいじゃん別に!好きなんだもんしょうがないじゃん!」

「ふうん?そうなんだ?」

「何を今更……ていうか、なんでさっきからそんなに楽しそうなの」

「……本当に俺のことが好き?」

「え?そ、そりゃまあもちろんそうだけど、なんで?」

「いや?悪くはないな、と思って」

「え、な、何が?!」

「別に」

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設定タグ:ハンターハンター , イルミ   
作品ジャンル:アニメ
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バナナ - とっても最高でした!!有難うございます!!更新待ってます!! (2022年9月20日 2時) (レス) id: e7b90db1c1 (このIDを非表示/違反報告)
どらやき(プロフ) - 孤歌さん» ありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです……!これからもよろしくお願いします! (2018年7月3日 23時) (レス) id: a2747e3aed (このIDを非表示/違反報告)
どらやき(プロフ) - みーたんさん» コメントありがとうございます!ぜひ続編でもお付き合いいただけると嬉しいです! (2018年7月3日 23時) (レス) id: a2747e3aed (このIDを非表示/違反報告)
孤歌(プロフ) - 初めまして凄く面白いですね!更新待ってます(゜∇^d)!! (2018年7月1日 15時) (レス) id: 5a595ce298 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 一言で言うとやばすぎますね (2018年6月24日 20時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:どらやき | 作成日時:2016年1月24日 18時

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