一目惚れだったから。

第十話 ページ11

Aside



集まった生徒を一掃させられて焦るボン。

でも、生徒は逃げるだけで仮面自体は
暴力を振るっていない。

A「やる気あんの…あの仮面」


殴らずにすませると、ボンの指示で動いた
大人二人が仮面に襲いかかる。



こりゃ五百万貰うのは金ちゃんか獅子丸以外
不可能だろうね…。

まさかこんなに強いなんて思わなかったし。

あっという間にボンと私だけになっちゃった。



仮面「おまえの相手は俺じゃない。








　 さぁ、課外授業を始めよう」


仮面の後ろから車いすを押した男。

去年までボンと一緒にいた男、…さとしだっけ？



さとし「デスマッチイベントやってるって聞いて
　 俺も参加しに来た…
　 親友と決着つけるために…」



A「…ﾅﾆｿﾚ… うける。」


仮面「おまえは黙っていろ。」

A「…うっざ…」


私が仮面に向かって言うと
ボンを殴ったさとしが一緒に倒れ込む。


A「！…。」



ボンを殴り続ける男は泣きながら殴っている。

ボン「…何で…」

仮面「親友を殴っているからだ」



A「…ん。」


突然倒れていた大人が仮面に向かって
鉄パイプを振り落とす。

案の定受け止められてるけど。




ボン「もういい！もうやめろ！」


A「！」


もう一人の大人が鉄パイプを持って殴ろうとした所をボンが止めた…。


予想外の出来事に思わず驚く。



大人「今更なに言ってんだ！
　 大人なめんなクソガキ！！」



ボンに振り落とされた鉄パイプ。

当たる直前で大人の男を蹴り倒した。






A「なにボンに手ぇあげてんの？」


倒れ込むおっさん。

仮面ティーチャー…面白いねぇ…。





ボンに一言述べるとどこかへ歩いていく。

ボン「さとし…ごめん…ごめん…」




ボンが泣きながらさとしに謝る。

何となく、ボンが変わっていくような気がして
その場を後にした。



私が好きになったあのころのボンに
また戻ったのかな…？


そこだけは感謝するよ…仮面ティーチャー。



いや、荒木剛太。

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